19.占いの霊ピュトン
文字数 1,056文字
今度はバルナバは別行動で、シラスという人物が同行する。
シラスという名は「森の」を意味するシルヴァヌスから来ているとも言われる。
ローマにおける森の守護精霊の名もシルヴァヌスだね。
占いの霊に取り憑かれている、一人の若い女奴隷に出会った。
彼女は占いをして、自分の主人たちに多くの利益を得させていた。
「わたしはイエス・キリストの名によってお前に命じる。この女から去れ」。
すると、立ちどころに霊は彼女から出ていった。
この女奴隷の占いで儲けていた主人が、パウロとシラスを告訴したんだ。
布教活動が禁じられているユダヤ教を広めようとしていると言ってね。
それでパウロとシラスは逮捕されて、鞭打たれ、投獄されてしまった。
賛美の歌を歌うと、ほかの囚人たちはこれに聞き入っていた。
立ちどころに牢の戸がみな開き、すべての囚人の鎖が解けてしまった。