6.洗礼者ヨハネの宣教と投獄

エピソード文字数 1,496文字

洗礼を水で行うというのはなんとなく常識となっておりますが。

そもそも、これはどういった儀式なのかしら。

ユダヤ教においてティビラ(Tvilah)という儀式がある。

ミクワー(Mikvah)という水槽や天然の湖に浸かって身を清める行為だ。

この儀式は、ユダヤ教に改宗する際に繰り返し行われる。

洗礼はこのティビラの変化だと考えられる。

実際、現代のヘブライ語で洗礼は「キリスト教徒のティビラ」と表現されるらしい。

ティビラは何回もやらなあかんのか。

その点、洗礼は一回だけで済むから、楽ちんやな。

皇帝ティベリウス・ユリウス・カエサルの第十五年。

荒れ野で、神の言葉がザカリアの子ヨハネに下った。

そこで、ヨハネはヨルダン川周辺の地域一帯を巡り、洗礼を宣べ伝えた。

少々ややこしいですが、かの有名なカエサルとは別人ですわね。

ブルータスに裏切られることで有名な、ガイウス・ユリウス・カエサルとは。

他にもっと有名エピソードあるだろうけど、その通りだよ。

有名な方のカエサルの養子が初代ローマ皇帝アウグストゥス。

ティベリウスはアウグストゥスの養子となって、「ユリウス・カエサル」となったんだ。

その前はティベリウス・クラウディウス・ネロという実父と同じ名前だった。

ティベリウスはなかなかの武人だった。

なんと紀元前4世紀に、彼はオリンピックで優勝している。

競技は戦車競走。

馬に曳かせた戦車で競う危険なゲームだ。

(Wikipedia「List of ancient Olympic victors」参照)

楽しそうで、ええなあ。
そんで、肝心のヨハネはどないしたんや。

元気に洗礼やっとるやろか。

もちろんだとも。

ヨハネは群衆に、アブラハムの子孫だと言って驕ってはならないと諭した。

彼は『イザヤ書』が伝えた言葉をもって人々に語り掛けたんだ。

『イザヤ書』第40章4節

すべての谷は高くされ、すべての山と丘は低くされ、

起伏は平坦に、険しい所は平野とされるように。

これは確か……。

キング牧師の演説での引用と同じでは?

I have a dream that one day every valley shall be exalted, and every hill and mountain shall be made low, the rough places will be made plain, and the crooked places will be made straight, and the glory of the Lord shall be revealed and all flesh shall see it together.
私には夢がある。それは、いつの日か、あらゆる谷が高められ、あらゆる丘と山は低められ、でこぼこした所は平らにならされ、曲がった道がまっすぐにされ、そして神の栄光が啓示され、生きとし生けるものがその栄光を共に見ることになるという夢である。
ヨハネは、持てる者は持たざる者に分け与えよと言った。

徴税人についても規定以上取らず、自身の給与で満足しろと言う。

平等であること、公平であることをここで強く求めた。

立派なことやけど、そんなこと言うたら怒る人も出てくるんちゃうか?

キング牧師の時代ですら非難轟々やったのに。

どうだろうね。

ただ事実として、ヨハネは投獄される。

それはヨハネが領主ヘロデ・アンティパスを批判したためだとされている。

領主ヘロデは、兄弟の妻ヘロディアのことや彼が行った悪事について、

ヨハネから咎められたので、ヨハネを牢獄に閉じ込めた。

こうして、ヘロデはすべての悪事に、もう一つの悪事を重ねた。

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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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