38.ユダの死
文字数 1,409文字
主の名を冒涜する者は死刑に処せられる。
全会衆はその者を石で打ち殺さなければならない。
他国の者であれ、この国に生まれた者であれ、み名を冒涜する者は殺される。
これは神に対する冒涜と捉えられたんだ。
唯一絶対の神に並び立つなどと自称されればそう思うのもやむなしさ。
そしてイエスは『レビ記』の語る通り、冒涜の罪により死刑が定まった。
しかしペトロは「何を言っているのか分からない」とそれを打ち消した。
ペトロが門に進むと、他の召使の女にイエスと一緒にいたと言われた。
ペトロは誓って「そんな人は知らない」と再び否定した。
そこに居合わせた人々が言葉の訛りを指摘してイエスの仲間だと言った。
ペトロは呪い、誓いながら「そんな人は知らない」と言った。
するとすぐに鶏が鳴いた。
夜が明けた後、祭司長たちはイエスを総督ピラトに引き渡した。
イエスを裏切ったユダは死刑判決を知り後悔した。銀貨三十枚を祭司長や長老に返して、
「わたしは罪のない人の血を売って、罪を犯しました」と言った。
すると彼らは言った、
「われわれの知ったことではない。自分で始末するがよい」。
ユダは銀貨を聖所に投げ込んで立ち去り、首をくくって死んだ。
『ニコデモによる福音書』より
ユダが家に帰ると、彼の妻が残り火で鶏を焙っていた。
ユダは妻に「首をくくるため」鶏を吊るすロープを渡すように言った。
妻はこの鶏が鳴きでもしなければイエスが蘇ることも無いと言った。
するとその後すぐに鶏が翼を広げ、三度鳴き声を上げた。
ユダは驚き、すぐさまロープで首を吊り、息絶えた。