21.サロメ
文字数 1,404文字
彼女の名をヘロディアと言う。
洗礼者ヨハネはその婚姻に対し「許されないことだ」と非難した。
ヘロデ・アンティパスはヨハネを殺そうとしたが、
民衆の怒りを恐れて獄に投じるにとどめた。
お前の兄弟の妻の隠し所を露わにしてはならない。
それはお前の兄弟の隠し所である。
喜んだヘロデ・アンティパスは何でも望むものを与えようと約束した。
彼女は母ヘロディアにそそのかされて言った。
「今ここで、この盆に載せて、洗礼者ヨハネの首をいただきとうございます」
フランス人画家アルマン・ポワンの筆による「サロメの踊り」だ。
戯曲では「七つのヴェールの踊り」とされている。
ダンスの描写は無いけれど、それはストリップショーを連想させる。
サロメ:奴隷たちが香水と七つのヴェールを持ってくるのを待ってるの、それに、履物も脱がせてもらわないと。
(奴隷たちが香水と七つのヴェールを持ってきて、サロメの履物を脱がせる。)
【中略】
ヘロディア:戻りましょう。あいつめの声には、イライラさせられる。わたくし、こんな叫び声が上がっている中で、娘に踊って欲しくはありませんの。あなたがそんなふうに見つめている中で、あの子に躍らせたくはないのです。とにかく、わたくしはあの子が踊ることを望みません。
ヘロデ:席を立つな、我が妻よ、我が王妃よ、無駄だ。わしは、あれが踊るまでは戻らんからな。さあ、踊れ、サロメよ、踊るのだ、このわしのために。
ヘロディア:踊っては駄目よ、サロメ。
サロメ:準備ができたわ、王様。
(サロメは、七つのヴェールを使った踊りを踊る。)