2.王妃エステル
文字数 986文字
容姿の美しい若いおとめたちを探させてはどうか、と。
ワシュティの代わりとなる王妃を探すためであった。
ユダヤ人有力者モルデカイの養女エステルもその一人であった。
彼女は自分の民や親族のことを誰にも聞かせないようにした。
モルデカイにそうすることを禁じられていたためである。
またはダビデの時代、反逆者シェバを追い詰めたヨアブと交渉する無名の女。
古代イスラエルにおける女の美徳は、大人しく引きこもることじゃない。
積極的に前に出て、男とも対等に交渉する知力こそ求められたんだ。
ミルラの油を用いる美容期間が6ヶ月。
香料や化粧品を用いる美容期間が6ヶ月。
そして順番に王のもとに行き、気に入られれば名指しで呼ばれることとなる。
各州に休日を与え、その寛大さを表して贈り物を与えた。