10.ハリー・ポッターと死の秘宝
文字数 1,364文字
とは言え、実際にどれほどの数が出版されたのかは分からない。
参考資料によって推定値もバラバラだ。
ここでは少なめに見積もっても40億冊くらいだと考えておこう。
(アメリカ Publishing Perspectives 調べ)
老若男女問わず誰もがこの「赤い小さな本」を手にしていた。
聖書を40億と推定するところと同じとこの推定で8億2千万冊。
コーランは僅差の8億冊で3番目だね。
「最後の敵なる死もまた滅ぼされん」
(The last enemy that shall be destroyed is death)
これはハリーの両親が眠るポッター家の墓に刻まれた碑文なんだ。
最後の敵として死が滅ぼされます。
そして『ハリー・ポッターと死の秘宝』でハリーは死んで生き返る場面がある。
その解釈は色々あるみたいだけれど、イエスの復活を連想するのは間違いない。
(J. K Rowling's interview with the Daily Telegraph 参照)
死という恐怖に打ち克つことが物語の軸にあるんだ。
死の呪いを放つ悪役のヴォルデモートは、その名を呼ぶことも恐ろしいとされる。
しかしハリーは名を呼ぶことで、恐怖に打ち克っているわけだ。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』ではもう一つ引用がある。
ダンブルドア家の墓に刻まれた碑文。
「なんじの宝のある所には、なんじの心もあるべし」
(For where your treasure is, there will your heart be also)
これは『マタイによる福音書』第6章21節から来ている。