7.深淵をのぞく時
文字数 1,269文字
人がどうして清くありえようか。
女から生まれた者が。どうして正しくあり得ようか。
いつ、あなたは話にけりをつけるのか。
悪人は天幕から追い出され、恐怖の王のもとに連れて行かれる。
苛立つ思いがあなたに答えるよう促す。
悪人は自分の汚物のように滅びるだろうと。
知恵を見出そうとしても、深淵は「それはわたしの中にない」と言う。
知恵は金銀財宝や死をもってしても得られず、神のみぞ知る。
これはニーチェが『喜ばしき知恵』にて語った言葉ですが。
『ヨブ記』においてすでに「ない」と明言されていたということかしら。
深いと思って知恵があると勘違いする草どもの、なんと滑稽なこと。