3.ヨハネの黙示録の四騎士
文字数 1,801文字
それは、内側にも裏側にも文字が記されており、七つの封印が施されていた。
巻物の封印を一つ解くごとに色んなものが現れてくるんだ。
特に第一から第四の封印を解くごとに「馬にまたがった者」が出てくる。
彼らを日本では「ヨハネの黙示録の四騎士」と言い表している。
ロシア語の原題ではヴォイニ・アパカリプシサ(Воины Апокалипсиса)
ヴォイニは「戦士」とか「兵士」といった意味の言葉だね。
右から順に第一の封印から第四の封印で解き放たれた者たちさ。
それにまたがっている者は弓を持っていた。
彼に冠が与えられた。
彼は勝利者であって、さらに勝利を得ようとして出ていった。
それにまたがっている者には、地上から平和を奪い去る力が与えられた。
これは、人々が互いに殺し合うためである。
また一振りの大きな剣が彼に授けられた。
後世、騎士たちの紋章において剣の意匠はそうした意味合いを含んでいた。
例えばジャンヌ・ダルクの紋章なんかは真ん中に剣で上向きになっている。
それにまたがっている者は、手に天秤を持っていた。
「小麦一升は一デナリオン、大麦三升は一デナリオン。
オリーブ油とぶどう酒には害を加えてはならない」。
飢饉と言えばイナゴの害があるけれど、オリーブもぶどうも受けにくい。
麦は被害を受けて価格高騰するけれど、オリーブとぶどうは関係無かったとか。
キリスト教の儀式でオリーブ油とぶどう酒はよく使うから除外したという話もある。
それにまたがっている者の名は「死」であり、その後ろには陰府(よみ)が従っていた。
彼らには、剣と飢饉と死病と地上の野獣によって、地上の四分の一の人々を殺す権力が与えられた。
「青白い」と訳されていますが、ギリシア語では「クロロス(chlōros)」
「灰色」とか「淡い緑」などの訳もありましてよ。
要するに、幽霊のごときうすぼんやりした見た目ということかしら。