6.プロト共産主義
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彼らの中に乏しい者はなく、土地や家を持っている者はみな、それを売った。
そして各々の必要に応じて、分け与えた。
けれどビヨンデッタが感じることは大きく外れていない。
キリスト教無政府主義者たちは、使徒による教会はプロト共産主義だと考えている。
この場面はその証拠ってわけだ。
地所を売ったが、妻も承知のうえ、代金をごまかし、
その一部を携えて来て、使徒たちの足元に置いた。
神様が「奉納物として滅ぼし尽くせ」言うたのに、自分のものにしようとした。
あれは元々アカンの所有物ってわけでもないから話違う気ぃするけれど。
所有物について神様を欺いたってとこが似てるかもしれへん。
しかし、どうにも釈然といたしませんわ。
だって今まで、罪深い者たちを救うのだと散々主張してきたでしょう?
それが急に罪に対して死を与えるほどの怒りを示すなど。
この慈悲とかけ離れた神の裁きはいったい何事かしら。
ただし、現代の僕らには笑いどころがつかめない。
信者たちにこういうことをしてはいけない、と語る小話と考えれば納得しやすい。
(Matthew L. Skinner, On Why People do NOT Give Money to Their Church 参照)
注)記事では「ブラックジョーク」ではなく「絞首台のユーモア(gallows humor)」