8.ハヌカーの祭り
文字数 1,014文字
送り込んだ部下たちの敗北を聞き、宰相リシアスは自らが出陣した。
兵6万と騎兵5千を招集し、ベトツルに陣を敷いた。
ゴルギアスが負けたのはアマウスらへんでの戦闘やろ?
随分、迂回して動いとるんやな。
そのへんがどういう理由なのか、聖書には書かれていないけどね。
まずは戦闘を避けて、エルサレムに入ろうとしたのかもしれないね。
そう。
ユダ・マカバイも兵1万を率いてリシアスを迎え撃つ。
これはきっと、奇襲的な攻撃だったと思う。
リシアス軍のうち、約5千が倒れた。
ユダヤ人の目の前で倒れた。
リシアスはユダヤ人が勇気を増しているのを見てアンティオキアに退却した。
そして再びユダヤに侵入するため、傭兵を駆り集めた。
目前の難敵を追い払ってから、今度はエルサレムに向かった。
エルサレム全体を奪取するには至らずとも、神殿を押さえておきたかったんだ。
ユダとその兄弟たちは、神殿を清めようと言った。
荒れ果てた聖所の清めが終わるまで、要塞にいる兵と戦うよう幾人かに命じた。
彼らは律法に従い、神殿を清めると、生贄を捧げて祝った。
毎年キスレウの月の25日から8日間、喜びと楽しみのうちに守ることを定めた。
この祭りをハヌカー(献身)と言って、別名「光の祭り」とも呼ばれる。
クリスマスとほぼ同じ時期に行われるんだよ。
タルムード(Megillat Taanit, Kislev 8)による。
神殿に入ったユダヤ人たちはほぼ全ての油壺がダメにされていた。
唯一残った油壺があったんだけれど、一日分の灯りにしか使えない程度の量だった。
それがなんと驚いたことに、8日間も使い続けることが出来た。
この「奇跡」をもって、「光の祭り」と呼ぶのさ。
メノーラーの一種かな。
これはハヌッキーヤーという、ハヌカー用の燭台なんだ。
メノーラーよりも2本、枝が多い。
中央をシャンマーシュ(管理人)と呼んで、そこは毎日点火する。
それ以外のところは日次で点火して、最後には全てに火をつける。
そうやって「奇跡」を模しているんだね。
調べたらハヌッキーヤー、色んな種類あるやん。
ちょっとこれ欲しいかもしれん。
ユダヤ教徒にとってはクリスマスみたいなもんだからね。
クリスマスツリーで趣向を凝らすみたいに、ハヌッキーヤーも色とりどりだ。
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