11.僕(しもべ)の詩(うた)
文字数 1,781文字
わたしはわたしの霊を彼の上に置く。
彼は諸国に正しい法を輝かせる。
彼は叫ばず、声をあげず、巷に自分の声を聞かせない。
折れた葦を彼は断ち切らず、くすぶる灯芯を消さず、まことに、彼は正しい法を輝かせる。
彼は衰えることなく、挫けることもなく、遂には地に正しい法を打ち立てる。
(治癒活動の際にイエスは自分のことを言いふらさないように注意した)
これは、預言者イザヤの言葉が成就されるためである。
「これこそわたしの選んだ僕、わたしの心にかなう愛する者。
わたしは、彼の上にわたしの霊を置く。
彼は異邦人に正義を告げ知らせる。
彼は争わず、叫ばず、巷で誰もその声を聞かない。
彼は折れた葦を切り離さず、くすぶっている灯芯を消さない。
正義を勝利に導くまでは。異邦人は彼の名に望みをかける」。
「お前がわたしの僕としてヤコブの諸部族を立ち上がらせること、
イスラエルの生き残った者を帰らせることだけでは足りない。
わたしはお前を諸国の光とし、地の果てに至るまでの、わたしの救いとする」。
(シメオンはイエスを抱き上げて言う)
「異邦人を照らす光、あなたの民イスラエルの栄光です」。
侮辱とつばから顔をそらさなかった。
主なる神が、わたしを助けてくださる。
それ故、わたしは恥を覚えない。
それ故、わたしは顔を火打ち石のようにし、恥を受けることはないと知っている。
わたしたちは、彼が神によって打たれ、たたかれ、卑しめられていると考えた。
彼は、わたしたちの背きの故に刺し貫かれ、わたしたちの悪の故に打ち砕かれた。
彼の上に下された懲らしめが、わたしたちに平和をもたらし、
彼の傷によってわたしたちは癒された。