天使と悪魔の聖書漫談

1.預言者サムエル

エピソードの総文字数=881文字

~♪
楽しそうだね、ビヨンデッタ。

何かいいことでもあったのかい?

ごらんあそばせサタニャエル。

おいしそうな豚をつかまえてきましてよ。

たしかに、よく肥えてて油が乗ってそうだ。

焼肉でもするのかい?

僕としては角煮にしてくれると嬉しいんだけど。

それはもちろん、ケーキを焼くのよ。
……。
え!?
お姉さまの喜ぶお顔が目に浮かぶようですわ。
……。
ま、いいか。
エルカナには二人の妻がいた。

ハンナとペニナである。

ハンナには子がおらず、ペニナには子がいた。

ペニナはハンナと張り合い、子のないことを取り沙汰してハンナを苛立たせた。

ハンナは男の子を授けてくれるよう神様に祈った。

その願いは聞き取られ、ハンナは子を授かり、サムエルと名づけた。

一夫多妻言うても、女がそれをおおらかに受け入れるわけちゃうんやろな。

人間、そう簡単に割り切れるもんでもないわ。

あ、おかえりミカちゃん。
おかえりなさいませ、お姉さま。

お姉さまのためにケーキを焼いて待っておりましたのよ。

お腹いっぱいな人はパンのために雇われ。

お腹すいた人の飢えはおさまった。

すまんなビヨンデッタ、うちは満腹なんや。
「ハンナの賛歌」の一部だね。

弱きを助け強きをくじく、神への賛美と感謝が込められている。

『ルカによる福音書』の「マリアの賛歌」に影響を与えたと思われる。

強い者は強く、弱い者は弱い。

その当たり前を覆そうと言うのかしら、この神は。

それはそれで、ニーチェの歯軋りする姿が目に浮かんで面白いけれど。
(良かった。うまい具合に話を逸らせたで)
(あ。ミカちゃんが「うまい具合に話を逸らせたで」って顔してる)
サムエルは大祭司エリの元で神様に仕えて暮らした。

ある夜、神様がサムエルを呼び、サムエルはエリに呼ばれたと思った。

それが3度続き、エリは神様がサムエルを呼んでいるのだと気付いた。

エリはサムエルにそのことを伝え、神様の言葉を聞くようにうながした。

サムエルはエリに従い、神様の言葉に耳を傾けた。

そこで語られたことをエリに伝え、それは全て実現された。

イスラエルの民はサムエルが預言者として立てられたことを知った。

かくしてサムエルの物語が始まる。

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