8.大淫婦バビロン
文字数 1,100文字
その獣は数々の冒涜の名で覆われており、七つの頭と十本の角を持っていた。
女は紫と赤の衣をまとい、黄金と宝石と真珠で身を飾り、
一方の手には、憎むべきものと、自らの姦淫の汚れに満ちた金の杯を持っていた。
額には、秘められた意味をもつ名が書き記されていた。
それは、「淫婦の母、地上のあらゆる憎むべきものの母である大バビロン」というものであった。
バビロンは「姦淫」つまり「背教」をもってその罪としている。
しかしローマ自体はそもそもヤハウェを祀る国家ではない。
異教徒ではあるけれど、「背教」にはならないんだ。
忠実だった町が、どうして娼婦に成り下がってしまったのか。
そこには公正が満ち、正義が宿っていたのに、今は人殺しばかりだ。
主の言葉がわたしに下り、仰せになった、
「人の子よ、かつて二人の女性がいた。
ともに母を同じくする娘たちだが、彼女たちはエジプトで姦淫した。
若年の身でありながら姦淫した。
その地で彼女たちは乳房をつかまれ、処女の胸を愛撫された。
姉の名はオホラ、妹の名はオホリバといった。
やがて彼女たちはわたしのものとなり、息子や娘たちを産んだ。
その名オホラとはサマリア、オホリバとはエルサレムのことである。