1.働かざる者食うべからず
エピソード文字数 1,859文字
わたしたちがあなた方の所にいたとき、
「働きたくない者は食べてはならない」とはっきり言っておいたはずです。
それなのに、あなた方の中にはけじめのない生活を送り、仕事はせず、
余計なことばかりしている者がいると聞いています。
主イエス・キリストに結ばれている者として、
そういう人たちに命じ、勧めます。
黙々と働いて、自分で稼いだパンを食べなさい。
そういうメンタリティになった人たちが仕事をさぼり始めた。
パウロは彼らを窘める意図で「働きたくない者は食べてはならない」と言ったんだ。
本当にパウロが書いたのか、という話は割愛させてもらうよ。

1918年制定ロシア社会主義連邦ソヴェト共和国憲法(レーニン憲法)第18条
Российская Социалистическая Федеративная Советская Республика признает труд обязанностью всех граждан Республики и провозглашает лозунг: «Не трудящийся, да не ест!»
「ロシア社会主義連邦ソヴェト共和国は、労働を共和国のすべての市民の義務であるとみとめ、『はたらかないものは、くうことができない』というスローガンをかかげる。」
(『人権宣言集』(岩波文庫) Wikipedia「働かざる者食うべからず」より転記)
憲法研究会による『憲法草案要綱』を日本社会党が参考にしたのではとの説がある。
憲法研究会は戦後初代NHK会長となる高野岩三郎らのグループだ。
『要綱』では「国民の権利義務」として「国民は労働の義務を有す」と書かれていた。
とは言うけれど、それなら「義務」を付けずに「権利」とだけ書けば良かった。
よく日本は憲法をGHQに押し付けられたと言うけど。
GHQの草案では「義務」はなく「権利」のみが書かれているんだ。
GHQ草案
第二十四条
(略)
労働条件、賃銀及勤務時間ノ規準ヲ定ムヘシ
(Standards for working conditions, wages and hours shall be fixed.)
第二十五条
何人モ働ク権利ヲ有ス
(All men have the right to work.)
第二十七条
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
児童は、これを酷使してはならない。