10.ヨセフ、出世する
文字数 1,046文字
前回はヨセフが痴漢冤罪で捕まって投獄されたんやったな。
それからどうなったんやろ。
神様は監獄長がヨセフを気に入るようにした。
監獄長は監獄の囚人を全てヨセフに委ね、ヨセフに対して一切干渉しなかった。
ヨセフが何を行っても神様が成功させたからである。
兄弟に売り飛ばされて悲惨な目に遭っても、そこで活躍する。
かと思えば無実の罪で投獄される。
それでもやっぱりそこで活躍してしまう。
物語としての山と谷をこれでもかと繰り出してきているね。
監獄に二人の男が連れられてきた。
一人は給仕(酒を飲ませる人)、もう一人は調理人(パンを焼く人)である。
二人とも同じ夜に奇妙な夢を見た。
ヨセフは二人の夢を解いた。
給仕は三日以内に許され、元の地位に戻るだろう。
調理人は三日以内に木に掛けられ、鳥に肉をついばまれるだろう。
そして三日目、その通りになった。
要するに、夢占いを当てたっちゅうことか。
神様チート使ってるにしても、なかなかやるやないか。
ヨセフ自身が「神のなさることではありませんか」と言っているけどね。
ただ、それを本当に神が示したという風には書かれていない。
なんだかんだでヨセフ自身、能力が高かったのかもしれない。
二年の後、ファラオは夢を見た。
立派な肥えた七頭の雌牛がナイル川から上がってきた後、
醜く痩せた七頭の雌牛がナイル川から上がってきた。
また眠ると再び夢を見た。
一本の茎からよく実った七つの穂が出てきた後、
東風で干からびた細い七つの穂が生えてきた。
ははあ。
次の展開が読めたで。
今度はファラオの夢をヨセフが解くんやな。
正解。
ファラオはエジプト中全ての魔術師と賢者を呼び集めるんだけれど、
誰一人としてその夢の意味を解くことが出来なかった。
そして以前、ヨセフに占ってもらったことを給仕が思い出したんだ。
そのことをファラオに伝えて、ファラオがヨセフを呼び寄せた。
ヨセフはファラオの夢を解いて言った。
「エジプト全土にはこれから七年の間大豊作が訪れます」
「その後に七年間の飢饉が起こって、豊作のことは忘れられます」
「七年の飢饉に対する備えを豊作の七年間に行わなければなりません」
今まで、取ったり取られたりの繰り返しだったからね。
何にせよ、この夢占いが高く評価され、ヨセフはエジプトの宰相になるんだ。
奴隷から一気にエジプトのNo.2にまで上り詰めたのさ。
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