9.後継者ヨシュア

エピソード文字数 730文字

バアルの事件後にも疫病があった。

それが収まった後、第二回人口調査が行われた。

人、いっぱい死んでるしな。

時間も経ってたら数えなおさなあかんわな。

ツェロフハドの娘たちが訴えた。

「(死んだ)父に息子はいなかったが、その所有地は娘が相続すべき」ではないかと。

神様はその言い分は正しいとし、息子の無い場合は娘に譲渡することとした。

土地の相続の話は古今東西、なかなか興味深いもんやな。
長子相続を基本とするのは、家族という単位が重要だからだね。

日本でも男女平等に土地を相続すると、「家」が弱体化して滅びたんだ。

だから長子相続が主流になっていったらしい。

とは言うても、思うようにならんこともあるわな。

そういう例外規定をきちんと考えとこうってことか。

神様はモーセに告げた。

「アバリム山脈に登り、土地を見渡せ」

「その後、お前も兄のアロン同様に先祖の列に加えられる」

ついにモーセも死ぬ時が来たんか。

そしたら今度は誰がリーダーになるんやろか……。

なんてな。

ここまでの流れで、ヨシュア以外におらんやろ。

その通りさ。

モーセは神様に「会衆を羊飼いのいない羊のようにしないでください」と願う。

すると神様はヨシュアを後継者に指名した。

モーセはヨシュアを全会衆の前に立たせた。

そして自分の手をヨシュアの上に置き、彼を後継者に任命した。

モーセの時代が終わるんやな。

『出エジプト記』から、長かったで。

トーラーはモーセ五書と呼ばれるくらいだからね。

彼を中心とした物語なんだよ。

モーセの死は『民数記』ではなく次の『申命記』のラストシーンになる。

『申命記』は「繰り返し命じる」という意味の漢語なんだけどね。

その内容は「十戒」を含む、今までのそうまとめって感じなんだ。

色々あったからな。

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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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