7.エサウとヤコブ
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エサウは巧みな狩人となり、ヤコブは穏やかな人となった。
イサクはエサウを愛し、リベカはヤコブを愛した。
「その赤いものを食わせてくれ。私は飢え、疲れている」
「それでしたら、まずあなたの長子の権利を売ってください」
「私は死にそうだ。長子の権利など何の役に立とうか」
「今すぐ、誓ってください」
こうしてエサウは長子の権利を軽視した。
長子の権利というのは、ヘブライ人の家庭で長男がもっていた特別の権利。
父親が死んだとき、長男は、父の全財産のうちから、他の兄弟の2倍を相続したらしい。
それと家族全体にかかわる決断をする権利があったんだ。
ヤコブは母リベカの助言に従い、(イサクの愛する)兄エサウの振りをした。
そうしてヤコブはエサウが得るはずだったイサクの祝福を得た。
レアとラケルの父、ラバンの元で働き、「まだらとぶちのヤギ全部」を報酬にするよう約束した。
すると神様は産まれるヤギを全て「まだらとぶち」にした。
ラバンの息子たちは怒った。
妻と子どもたちを「神があなた(エサウ)の僕(しもべ=ヤコブ)に恵んでくれた子たち」と言い。
ヤギ、羊、牛の群れを「わがあるじ(エサウ)のご好意にあずかるためです」と言い。
エサウが不要と言えば、エサウを「神の顔」と評し、とにかく受け取ってくれと懇願した。
「子どもたちはか弱く、羊や牛の子の世話もしなければならなりません」
「わがあるじ(エサウ)は僕(しもべ=ヤコブ)より先にお進みください」
「(兵を残そうというエサウに)わがあるじのご好意にあずかれば十分です」
そしてヤコブはエサウから逃れてスコトの地に家を建てた。