１７．新たな指導者ヨナタン・アフス
文字数 963文字
ヨナタン・アフス。
彼はユダ・マカバイの弟で、マタティアの最年少の息子だ。
ユダ・マカバイの死後、彼がユダヤの指導者となった。
ユダを討ったシリアの将軍バキデスはヨナタンも狙った。
ヨナタンは兄のシモン・タシと共にこれに対抗する。
ヨルダンの沼地にヨナタンたちが集結していた。
それを知ったバキデスは安息日に大軍を率いてヨルダン川の岸辺に進出した。
戦闘開始後、ヨナタンは積極的に戦ったが、バキデスは後方に退却した。
まーた、安息日に襲いかかっとる。
応戦されるんはニカノルの時にでも分かったんとちゃうんか。
横のつながりが薄いのかもしれないね。
安息日であっても攻められれば抵抗する。
知らずに攻めて抵抗されれば、驚いたんじゃないかな。
それでバキデスは後方に退却したのかしら。
まあ、慎重ですこと。
確かにバキデスは慎重だ。
ユダヤの町々に砦を築き、城壁と門を設けたと言う。
アルキモスは聖所の石垣を崩すことを命じた。
しかし作業を始めるとアルキモスは発作を起こして死んでしまった。
アルキモスの死を見届けると、バキデスは王のもとに戻った。
アルキモス死んでるやん。
「石垣」はイスラエル人と異邦人とを仕切るために造られたものだった。
それを崩すというのは、ユダヤ人としての純粋さを汚す行為でもあったと思う。
それより、またバキデスが帰ってしまいましたわ。
やる気あるのかしら。
……無いんやろなあ。
無法の者どもは計略を巡らして言った。
「バキデスを連れ戻し、ヨナタン一味を捕らえよう」
バキデスは大軍を率いて出陣した。
無法の者どもって要するにユダヤ人のことやろ？
バキデスにしてみたら内輪揉めに引きずり出された感じやないか。
彼らはバキデスを後ろ盾にしてヨナタンを捕らえようとした。
けれど首謀者たちはあっさり返り討ちにあったらしい。
ヨナタンの兄シモン・タシがバキデスと戦い、彼を打ちのめした。
バキデスは出兵を勧めた無法の者に対して怒り、多くの者を殺した。
そして彼は国に戻ることを決心した。
バキデス！
ここまで来るとコメディですわね。
家に帰りとうてしゃあなかったんやろなあ。
バキデスはヨナタンと和平を結んで捕虜を返還。
そして自国に帰ってユダヤ人の地に侵入することはなかったと言う。
その後ヨナタンは「イスラエルから不敬の輩を一掃」した。
ようやくイスラエルが一つにまとまり始めたわけだ。
