1.選ばれた婦人
文字数 1,694文字
わたしはあなた方を本当に愛しています。
わたしだけでなく、真理を知る人はみな、あなた方を愛しています。
そこから「エクレクテ」が名前だと言ったのが2世紀の神学者クレメンスだ。
アレクサンドリアで活躍したから、アレクサンドリアのクレメンスと呼ばれている。
ただヨハネはイエスの磔刑後、聖母マリアと同じ家で暮らしたと言われている。
そうでなかったとしてもご近所さんだったろう。
わざわざ手紙を書く動機はそれほど無さそうだね。
とは言え、「教会」の比喩という解釈が正しいとも言い切れない。
『ヨハネの第三の手紙』にはエクレシア(ekklēsia)という言葉が3回も出てくる。
これはそのまま「教会」という意味の単語だ。
『ヨハネの第二の手紙』では女性のリーダーシップが示されている。
けれど2代3代と時を経て、男性のリーダーシップによる体制が確立しつつあった。
すると女性リーダーの存在はそぐわない(against the grain)ものになってきたんだ。