23.ハスモン朝の確立

エピソード文字数 985文字

ディオドトス・トリュフォンはアンティオコス6世ディオニュソスを殺害。

その上でアジア王の冠を戴き、この地に大きな災いをもたらした。

はなから自分が王になりたかったんやろな。

正統な血筋でもないから、段階を踏んだんやろ。

そういや豊臣秀吉は清洲会議で三法師を擁立しとったな。

三法師はどないしたんやろ。

三法師、後の織田秀信はキリスト教に入信して、洗礼名ペトロを授かったね。

関が原で西軍に付いて負けて、福島正則の助命嘆願により高野山送りになったらしい。

そらまた、なかなか激しい人生送っとんな。

アンティオコス6世みたいに殺されんで良かったけど。

何故、子供を擁立しなければならないのか。

後に権力を握るとしても、それが無ければ正統性が疑われるからだ。

その意味でトリュフォンの判断は悪手なのさ。

紀元前2世紀頃の地図に登場人物たちの位置を示してみた。

トリュフォンは王になったと言っても、南北の敵に挟まれた状態だ。

だと言うのにアンティオコス6世を殺してしまった。

それによってトリュフォンに従えないという者が増えてきた。

セレウコス朝シリアの内紛はイスラエルにとって好機ですわね。

敵が混乱している隙に国力を高めるべきでしょう。

シモン・タシは当然この機を逃さなかった。

トリュフォンに敵対するニカトルに使節を送った。

そしてニカトルと和平を結び、エルサレムの徴税を無しにするとの約束を得た。


つまり、ニカトルを正式なシリア王と認めて、同盟を結んだわけやな。

徴税権を手に入れたっちゅうことは、独立を果たしたのと同じことやろ。

しっかし、ついこないだまで敵対しとったのに。

また手のひらくるーやで。

昨日の敵は今日の友。

今日の友は明日の敵。

手のひらくるくる返しが当たり前の世の中ですわ。

まさしく。

そしてここに僕らはハスモン朝イスラエルの誕生を見たわけだ。

はすもん?
一般的にその名はマタティアの曽祖父の名が由来だと言う。

『ユダヤ戦記』の著者フラウィウス・ヨセフスによると、

「アスモネウス」をギリシア風にしたものが「ハスモン」だとか。

『ヨシュア記』15:27に記載のある「ヘシュモン」という村が由来という説もある。

毎度のことではあるけれど、確たる由来は不明だね。

シモン・タシはエルサレムの要塞を占領した。

年毎にこの日を喜びのうちの祝うことに定めた。

子のヨハネ(ヨハネス・ヒルカヌス)が成人に達したので、彼を軍司令官とした。

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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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