21.アルテミス神殿
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そこには洗礼者ヨハネの洗礼を受けながら、聖霊について知らない人々がいた。
彼らはイエスの名によって洗礼を受けた。
すると聖霊が彼らの上に降り、預言したりするようになったんだ。
そして彼らは12人いたと言う。
それにより、職人たちに少なからぬ利益を得させていた。
「人間の手で造った神々は、本当の神々ではない」
パウロがそのように言って大勢の人を惑わせているとデメトリオは言った。
このままでは自分たちの仕事の評判が落ち、女神アルテミスの威光が消えてしまう。
彼らは大いに怒り、「偉大なるかな、エフェソ人のアルテミス」と叫んだ。
それなりに大きな模型を作る際に、きっと複数人で作業したのでしょう。
模型を造ることで生計を立てているのに、キリスト教のせいで仕事を失うかもしれない。
それで危機感を抱き、パウロを非難したというのですね。
もっと先のことだから彼らに直接は関係しないけれどね。
268年にアルテミス神殿はゲルマン系のゴート族に破壊されてしまう。
後に部分的に再建されたりもした。
けれど、最終的に石材なんかは、他の建物のためにほとんど持って行かれてしまった。
("Ephesus After Antiquity: A Late Antique, Byzantine, and Turkish City" by Clive Foss 参照)
「訴え事があるなら、正当な集会で決めてもらうことができる」
「この騒ぎを弁護できる理由がなく、暴動の罪に問われる恐れがある」
このように言って、書記官は集会を解散させた。