7.ギデオンの罪

エピソード文字数 724文字

ギデオンはヨルダン川を越え、ミディアン人を追撃した。

ミディアンの二人の王、ゼバとツァルムナはカルコルにいた。

10万を超える軍勢はすでに1万5千ほどに減っていた。

しかし彼らはなお油断し、ギデオン300人の部隊に打ち破られた。

ギデオン強すぎやしませんかねえ。
もしくは、ミディアン人弱すぎ、ですわね。

9割も兵を減らされてなお油断するだなんて。

ギデオンはゼバとツァルムナを殺した。

そして彼らのらくだの首に掛けてあった三日月形の飾りを取った。

ミディアン人の信仰については定かじゃない。

けれどきっとこの三日月形の飾りがヒントになると思う。

豊穣の神バアルと共に崇拝された女神アシュトレト。

三日月は彼女の象徴とされるんだ。

そんなら、この頭の飾りが三日月っちゅうことか?
いや、これは牛の角だとされている。

牛の角もまた彼女の象徴なんだ。

イスラエル人はギデオンに王となることを求めたが、彼はこれを固辞した。

ギデオンは分捕り品の金細工を集めてエフォドを作った。

エフォドって何ですの?
仏教の僧侶が着る袈裟みたいなものかな。

ユダヤ教大祭司が身に付けるものだよ。

ギデオンはエフォドを自分の町オフラに置いた。

全イスラエルはそれを慕ってそこで姦淫を行った。

いや、意味分からへんのやけど。
自由にさえなってしまえば、厳しい宗教なんか無視してしまえ。

人というのは、そうそう自分を律し続けることは出来ないのさ。

ギデオン自身、大勢の妻を持って70人もの息子を得たと言う。
イスラエルの子らはまたバアルを慕って姦淫を行う。

そして主を心に留めず、ギデオン家族への誠意も示すことはなかった。

何度捨てようとも、何度でも受け入れましょう。
わたくし、バアル・ゼブルは慈悲深いのです。

どこぞの神とは違ってね!

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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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