3.七つの大罪

エピソード文字数 915文字

「七つの大罪」という言葉は有名だ。

漫画やゲームなんかでもよく出てくるしね。

その起源は4世紀、エウァグリオス・ポンティコスが提唱した「八つの想念」とされる。

八つの想念はそれぞれ、

貪食、淫蕩、金銭欲(強欲)、悲嘆、怒り、怠惰、虚栄心(自惚れ)、傲慢となる。

これを5世紀初め、ヨハネス・カッシアヌスが「八つの枢要罪」として紹介。

その内訳は暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢だ。

草どもの心などさして複雑でもあるまいに。

あれやこれやと小難しく。

なんとも楽しいお遊びですこと。

七つの大罪もぽんと出てきたわけやのうて、歴史があるんやな。
うちはもちろん天使やから、きちんと七元徳を備えとるで。
七つの大罪に対する、七つの美徳だね。

カソリックの用語で日本では「七元徳(しちげんとく)」と訳されている。

前振りが長くなったけど、七つの美徳と大罪を並べるとこんな感じだ。
おおー。

なんでか分からんけど、こうやって並んでるとかっちょええな。

漫画のキャラ設定がはかどりそうや。

美徳にしても大罪にしても、天使と悪魔の関連付けは俗説だけどね。

こうやって繋ぎ合わせて整理したい欲求が人にはあるのかも。

あと白状すると、天使の関連付けは原本が見つからなかった。

もし知っている人がいれば教えてください。

ところで、これは『箴言』の話にどう繋がりますの?

どれも紀元後の話であれば、まず関係ないのでは?

その通り。

実は直接の関係は無い。

と言って間接の関係があるのかどうかも分からない。

今回は僕が七つの大罪をネタにしたいと思っただけさ。

まあ、もちろん全くの無関係とは思えない程度の繋がりはあるんじゃないかな。

これを見てほしい。

主の憎むものが六つ、いや忌み嫌うものが七つある。

・高慢な目

・偽る舌

・罪なき者の血を流す手

・邪な計画を企む心

・悪に走る速い足

・偽りを吐く偽証人

・兄弟の間に口喧嘩の種を蒔く者

『箴言』第6章16~19節に書かれていることだ。

七つの大罪とは内容が異なるけれど、罪の大枠が示された箇所でもある。

嘘をつくことが二か所も出ている。

きっと、他に増して嘘とは罪深いことなのさ。

口喧嘩の種か……。

神様にTwitterを見せるわけにはいかへんな。

きっと手遅れでしてよ。
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登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

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