4.系図(バビロン捕囚~イエス・キリスト)

文字数 1,081文字

エコンヤの子はシャルティエル
バビロニアに捕囚となったけれど、イスラエルの制度は維持された。

王族もまたユダヤ人たちの指導者として保たれたのさ。

シャルティエルの子はゼルバベル
そしてバビロニアが滅び、セレウコス朝シリアの時代となる。

キュロス王により捕囚は終わり、エルサレムに帰ることとなった。

そしてエルサレムにおける指導者の任を負ったのがゼルバベルだ。

大祭司ヨシュアと共に神殿再建に乗り出した人物ですわね。

なかなかの苦労がありましたが。

あれ?

ゼルバベルってペダヤの子で、シャルティエルにとっては甥やなかったか?

『歴代誌』に「ペダヤの子は、ゼルバベル」って書いてあんで。

よく気が付いたね。

記載が正しければ、実はシャルティエルとゼルバベルは親子ではない。

祖父と孫という関係でもないし、直系の子孫でもない。

しかし直系の子でなくとも、法的な子であったとは考えられる。

「親子」と言ってもそれなりに広い意味を持たせますのね。
ゼルバベルの子はアビウド
アビウドはゼルバベルの息子、もしくは孫だと言われている。
義理の息子でも「子」言うし、孫でも「子」なんやな。
アビウドの子はエリアキム、

エリアキムの子はアゾル、

アゾルの子はサドク、

サドクの子はアキム、

アキムの子はエリウド、

エリウドの子はエレアザル、

エレアザルの子はマタン、

マタンの子はヤコブ、

ヤコブの子はマリアの夫ヨセフである

アビウドからヤコブまで、具体的な人物像はほとんど分からない。

そしてついにマリアとヨセフ夫婦の名前が登場する。

マリアとはいわゆる聖母マリアのこと。

言わずと知れたイエスの母ですわね。

レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」

有名過ぎるほどに有名な絵画だよ。

左におんのが、うちの可愛いガブりんや。
ガブリエルが左手に携えているのは白百合。

そはすなわち純潔の象徴。

マリアはヨセフに抱かれずして子を身籠りましてよ。

そう。

すなわちヨセフはイエスにとって育ての親ではあるが血縁はない。

系図における重要な点は、決して血縁によらないということさ。

しかし、ヨセフは自分の子でもないのによお面倒見たな。

感心するわ。

そのへんは次回のお楽しみだ。
キリストと呼ばれるイエスは、このマリアからお生まれになった。
キリストとはギリシア語のクリストス、ヘブライ語のメサイア。

その意味は「油注がれし者」で、神に選ばれた救世主を意味する。

イエスという名はヨシュアから変化したものだ。

ヘブライ語イェホシュア(Yehoshua)、ギリシア語イェスース(Iesous)がその由来だ。

英語ではジーザス(Jesus)と呼ぶ。

そんでようやく、イエスの物語が始まるんや。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

【ミカ】(性別:無性 時々 男性)

神様の命令で人々を見守ることになった大天使ミカエル。サタニャエルくんに色々教えてもらう生徒役。ただ何も知らないお馬鹿ではなく、それなりに常識人。特に戦争に関することはなかなか詳しい。無意味な殺戮は嫌うが、戦争そのものは悪と見做さない。ビヨンデッタの作った「ケーキ」にトラウマがある。


(うんちく)

その名は「神に似たるものは誰か」という意味を持つ。ミカエルはMa-Ha-Elと分解され、「偉大なる神」の意味ともされる。天軍の総帥であり、右手に剣を持った姿で描かれる。


聖書において天使の翼に関する記述は無い。その造形はギリシア神話における勝利の女神ニケ(Nike)が由来であると考えられている。


ミカエル、最大の見せ場は新約聖書『ヨハネの黙示録』12である。そこには以下のような記載がある。

「かくて天に戰爭おこれり、ミカエル及びその使たち龍とたたかふ。龍もその使たちも之と戰ひしが、勝つこと能はず、天には、はや其の居る所なかりき。かの大なる龍、すなわち惡魔と呼ばれ、サタンと呼ばれたる全世界をまどはす古き蛇は落され、地に落され、その使たちも共に落されたり。」

おそらくは翼の生えた勝利の女神と、戦争における戦士の姿とが融合され、現代におけるミカエルのイメージを形作ったのであろう。

【サタニャエル】(性別:???)

ミカちゃん一人だと心配なので付いて来た。色んなことに詳しい黒猫。「サタニャエル」を名乗っているが、悪魔サタナエルと同一視されるかは謎。ビヨンデッタから「サマエル」と呼ばれてもおり、そうであれば楽園でイヴを誘惑した蛇であるとも言える。非常に好奇心旺盛で勉強熱心。たまに悪魔っぽいが、基本的には常識的。


(うんちく)

「猫に九生有り」のことわざは、高いところから落ちてもうまく着地してしぶとく生き残る、タフさから来ていると考えられる。何故「九生」なのかは定説は無いが、エジプト神話の猫頭の女神バステトが九つの魂を持っていたことに由来するのではないか、と言われる。そのようにしぶとい猫を殺すには「好奇心」が効果的であるとことわざは言う(「好奇心は猫を殺す」)。つまり人に知恵を与えたサマエルが、その罪によって神の罰を受けることの暗示として、サタニャエルというキャラクタは造られている。


サマエルは「神の悪意」という意味を持つ。12枚の翼を持つことから、堕天使ルシファーとも同一視される。

【ビヨンデッタ】(性別:男性 or 女性)

ミカを「お姉さま」と慕う悪魔の少女。その正体はソロモン72柱序列第1位ともされる魔王ベルゼブブ。ニーチェを好み、強き者が強くある世界こそが最も美しいと考えている。人間を「草」と呼び、その愚鈍さを嘲笑する。


(うんちく)

作中にあるように、ベルゼブブの由来はウガリット神話における豊穣の神バアル・ゼブル。バアルの信仰は旧約聖書において偶像崇拝として忌み嫌われ、度々敵対した。バアル・ゼブルをバアル・ゼブブと読み替えることで、その意味を「気高き主」から「蠅の王」へと貶めた。


「ビヨンデッタ」の名前は幻想小説の父J・カゾットの『悪魔の恋』に由来する。主人公のアルヴァーレは知的好奇心により悪魔ベルゼブブを呼び寄せ、そのベルゼブブは「ビヨンデット」という名の少年として彼に仕えた。やがて「ビヨンデット」は「ビヨンデッタ」という少女となり、アルヴァーレに強く愛を語る。そしてアルヴァーレは苦悩の末にビヨンデッタを愛してしまう。あまりにあっけない結末についてはここで語らない。


ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』は死の象徴として蠅が描かれる。また、理性を凌駕する闘争心は豚の首として表れた。作中でビヨンデッタが豚肉を好んでいるのも、そうした背景による。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色