22.エウティコの死と復活
文字数 947文字
パウロの話が長々と続いたため眠気を催し、寝込んで、三階から落ちてしまった。
抱き起こしてみると、すでに死んでいた。
抱きかかえて、「騒ぐことはない。まだ命がある」と言った。
パウロは明け方まで語り続けて出発した。
人々は生き返ったその青年を連れ帰り、ひとかたならず慰められた。
ギリシア語ではネクロス(nekros)と書かれている。
それには「死体」という意味の他に「瀕死の人」という意味もある。
だから「まだ命がある」と言ったんじゃないかな。
ところが、アンティオキアやイコニオンからやって来たいく人かのユダヤ人が、
群衆を説得してパウロを石打ちにし、彼が死んだと思って、街の外に引きずり出した。