天使と悪魔の聖書漫談

4.女預言者デボラ

エピソードの総文字数=918文字

イスラエルの子らはまた神様の目に悪と思われることを行った。

神様は怒り、イスラエルの子らはカナンの王ヤビンの圧政に敷かれた。

……。
気持ちは分かる。

でも『士師記』はずっとこんな感じだよ。

草どもはそう簡単に変われるものではなくってよ、お姉さま。

何せ草なのですから、生えるだけで精一杯。

しっかし、ワンパターンやないか?

どうせまた士師がイスラエルの民を救うんやろ?

まあ、そうなんだけどね。

けれど今回は今までと大きく異なる点がある。

士師の名はデボラ。

その名はヘブライ語でミツバチを意味する。

聖書における唯一の女士師なのさ。

そのころ、女預言者のデボラがイスラエルの士師を務めていた。

デボラはアビノアムの子バラクを招き、ヤビンとの戦いに協力を求めた。

女が上に立って指示するとか珍しいやん。

聖書ってずっと男中心かと思ってたわ。

デボラの物語は女が戦う物語なんだ。

戦争の主力はバラクが率いる兵たちだけれど、大事なところは女がしめる。

ヤビンの軍を率いる司令官はシセラと言う。

タボル山にてバラクとシセラの軍が激突した。

登るシセラをバラクが上から攻撃する形であった。

山の上を先に取った方が圧倒的に有利やで。

この勝負、バラクの勝ちやな。

まさしく。

シセラは敗北し、逃げることになった。

逃げた先はヤビンと親交のあるヘベルの妻、ヤエルの天幕だった。

疲れ果てたシセラはその天幕で眠る。

しかしそれが彼の運の尽きだった。

ひぇっ!!
味方と思っていたら、いつの間にか敵となっていましたのね。

これは確かに運の尽き。

それにしてもこの女の姿、なんと凛々しいのかしら。

思わず見とれてしまいましてよ。

描いたのはアルテミジア・ジェンティレスキ。

これまた珍しい、17世紀イタリアの女性画家さ。

ヤエルによるシセラ殺害は、ルネサンスにおける女性の力強さのモチーフになった。

アルテミジア・ジェンティレスキは女性の視点からその強さを描いた画家なんだ。

17世紀イタリアて、女が画家になるとかありえん時代やろ?

そん中でこんだけの作品を世に送るっちゅうのは、とんでもないことやで。

逆境を跳ね返すだけの力をこの絵に感じますわね。

草と言えども敬意を示さずにはいられないわ。

こうして神様はカナンの王ヤビンを征服した。

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