第427話 第三部 了に寄せて(1)

文字数 557文字

 ……織田長益①

 一年半に渡って綴ってきました第三部、
何と473頁にもなってしまいました。
 いずれ大々的に推敲し読み易くしたいという希望はありつつ、
まず今はとにかく完結させるというのが目下最大テーマです。
 長らくの御拝読、感謝の思いでいっぱいです。

 お気付きでしょうが、
私が描く人物達は真から悪人、嫌な奴というのは殆ど居ません。
 例えば織田長益こと有楽斎。
 サントリー美術館で今年一月末からおよそ三ヶ月、
大回顧展が開催されていました。
 (3月24日まで)
 
 信長の弟にして信忠の叔父。
 初陣は二十歳を過ぎてから。
 しかも初の戦では織田家有数の武闘派、佐々成政は、
長益を護ることに終始し武功をあげられず信長の顰蹙を買い、
そうまでして無事を得たのに帰り道で長益は落馬、骨折。
 武将としては何とも、まあ……。
 
 やがて時は流れ、本能寺の変当日、
光秀謀反、本能寺炎上を聞き付け、
信忠の許へ京都中から集まった織田家所縁(ゆかり)の武将、
重臣、そして年端もゆかぬ小姓達が多勢に無勢で虐殺にも似た状況下、
命を散らせる中、長益は逃げおおせ、
生き延びたことにより後ろ指を指され、
子供にまで替え歌で揶揄されたと伝えられます。
 
 そんな長益(有楽斎)の回顧展が死没400年を経た今、
三ヶ月ものあいだ開かれ、多くの人が足を運んでいます。


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