第9話 百の腕
文字数 1,801文字
天使が加わればそれで形勢が逆転する────銀眼の魔女は押し切られる────テレーゼは1柱を解放しそう思った。
その館でも入りそうな大部屋に
割れた氷柱から歩みでた赤い王冠をつけた天使も
1柱じゃ足らないんだ!?
そんなに銀眼は強いのかと
響きあう
すると氷柱全面に細かな
眼を開けたもう1人の天使は最初のものにそっくりだったが青い王冠を載せていた。
────そなたが
テレーゼは意識に話しかけられ
そうです。どうか、もう1柱の天使様と、アイリ・ライハラを手伝い銀眼の魔女を滅ぼして下さい。
────良かろう。聞き届けた。
見上げた前でその青い王冠を載せた天使が空中から雷光の
花びら広がるように
────ノッチス・ルッチス・ベネトス、どうしたそのなりは?
ああ、そうか。天使らが監禁されている間に青竜と千切ったんだ。知らないはずだ。
「あぁ──ノッチは別の世界に取り残されいる。こいつ倒さないと救い出せねぇ」
────そうか。ならそれを忠義に戦おう。
青い王冠の天使がアイリの意識に直接いうとにらみ合う銀眼の魔女へ雷
恐ろしい速さの天使らに対等に打ち合ってる銀眼の魔女にアイリ・ライハラは舌を巻いた。
これで俺が入るとさらに銀眼の魔女は負担増えるわけだが、銀眼が打ち負けない感じがした。
1人で挑んだ時にはぎりぎり打ち負けてると思ったがなんの────アイリ・ライハラは戦慄が走った。
天使2柱がいれば勝てるなんて思ったのが間違いだったか。
だがこれで俺が入り勝てなかったら────だめだ。
これにかかってるのは自分の命だけではないのだ。
直後、アイリ・ライハラは
その
────どうしたノッチス・ルッチス・ベネトス。百の腕と言われたお前がその程度では手を抜いているのか?
百の腕!? アイリの意識に電撃が走った。あれはティタノマキアでタイタンの巨人族と闘いし百腕巨人族、膠着状態に陥っていた戦況を変え、至上神側が勝利する一因となった大地巻き込む神々の戦い。
青竜の強さは速さと雷撃のパワーだけではない。1人で50人分の働きする100もの岩山を一瞬に
アイリ・ライハラは思い出し
その乱れ打ちに優先を
そうだこいつは場が劣勢になると場所を移動し戦況を変えようとする。そうはさせじとアイリ・ライハラは魔女の背後に回り込んだ。
前後から凄まじい猛攻を受け形勢保てなくなった白髪の女が苦し紛れに周囲へ氷壁を生み出し
もはや
右手首を切り落とされた一瞬、左肩を両脚を次々に
その細切れの肉片から黒い油のようなものが血に混じり流れ出すとアイリ・ライハラはそれを雷撃で焼き払った。
「おかげで勝つことができました。ご無事でここから逃げだしてください」
────礼を述べるのは
崩壊してゆく銀眼の魔女の牙城を駆け抜けアイリとテレーゼにノッチが合流した。
「テレーゼ! お前何を望んだんだ!?」
駆けながら顔を振り向け勇敢な剣士に少女が
「姉様が、改心した姉様──テレーザ・マカイが戻ることを! アイリ殿は!?」
「里へ帰りたい。それだけだ」