第27話 打倒
文字数 1,680文字
主斜塔のある大きな
「あんたどうして教えてくれるんだ?」
ヘルカが案内する
「私たちあの
感情がこもっていたので女騎士は苦笑いした。
その
「クリフトン──クリフトン・フロストか!?」
見覚えのない騎士らに男が返答せずにいると白髪の女が振り向いて言い放った。
「青よ、しつこい剣士め」
「ルースクース! 銀眼の魔女め! ここで
そう言い放ちアグネスを身体の後ろに隠したアイリ・ライハラの両側をテレーゼ・マカイとヘルカ・ホスティラが立ち並び
「
そう告げながら
「くせ者じゃ、出会え! 出会え!!」
押し開いた窓から大声で命じる
「無駄だクリフトン。ここにいたるまでに多くの騎士や近衛兵を倒してきた。逃げ道はないぞ」
「きさまら、どこの国の手のもの!?」
問われアイリは押し殺した声で名乗った。
「国は関係ない。
「き、貴様ぁ! 宮廷魔導師が連れ去った旧ヨーク王の王女アグネスかぁ!?」
そう言い放ちクリフトン・フロストは短剣を引き抜いた。
そうかやっぱり父を追い立てた張本人はこいつなのだとアイリは納得し後ろに隠した王女へ声をかけた。
「アグネス! こいつどうする!?」
アイリの横へ姿現したアグネス・ヨークが
「父と母を殺したものの有り
なぜアグネスが二人いるのだと
「父クラウスはアグネスを城下に隠し
それを聞いて理解した
アイリは数歩前に出ると居合い抜きで
「アイリさん、現国王は
そうアグネスが頼みこむとアイリが王女に
「わかるはずだ。身代わりに追われた父と俺の気持ちが。命奪い政権をつかむ
「アイリ────あなたは同じ
「アイリ、一本取られたな」
そうヘルカに言われアイリが振り向くとしてやったりの女騎士の笑顔があった。
王と
「アグネス、玉座に座ったからとて政権を変えられるほど簡単じゃない」
そう警告したアイリ・ライハラに言葉少なにアグネスは決意をあらわした。
「ええ、わかっています」
「王制が安定するまでしばらくは俺らは手をかすが、半月ほど辛抱したら乗り込んでくる──くるんくるん────イルミ・ランタサルに細かいことは教わるといい」
「乗り込んでくる? イモルキはノーブルの属国になるのですか?」
「それじゃあ国民は納得しないだろう。イモルキはノーブル、デアチ、イルブイの共和国となるイズイ大陸最大の共和国だ」
アイリらのはからいにアグネスは微笑んだ。
「無血クーデターじゃなかったので、同じことを画策する
ヘルカ・ホスティラに言われアグネスは首を縦に振った。
「ところでアイリさん、イルミ・ランタサルも同じ手段でデアチとイルブイを手にされたのですか」
玉座のアグネスに問われアイリは
あれは