第18話 何をするか
文字数 1,427文字
じゃれあって遊んでいる様だ。
力と技とで優劣が決まる。
自分と他人の安全を守る。
命を賭けて腕を振り上げる。
相手が騎士なら剣技をつくす。剣士や
だがなぜ魔物を狩る。
魔物が何をした。
父クラウス・ライハラは俺を子どもの時から当然のようにこの迷宮に連れて来て大挙する魔物を狩った。
魔物が何を────。
魔物は人を見ると襲いかかる。そこに理由があるのだろうか。アイリ・ライハラは先折れの
洞窟の半分近い大きな竜が
「アイリ! こいつの弱点はなんだ!?」
竜の尾の近くにいるヘルカ・ホスティラが大声で竜の頭の
「弱点!? 弱点はない! 力
力押ししかないと言われ女参謀長は竜の尾を剣でひっぱたいた。その攻撃に竜が振り向き
「首ががら空きだぁ!」
首にアイリ・ライハラと数人の騎士が同時に
振った尾に弾き飛ばされヘルカ・ホスティラと騎士3人が
「ヘルカ!」
気を失った友を見つめ命を賭けて腕を振り上げた。
「
群青の稲光を残して駆け出したアイリ・ライハラは凄まじく
ゴロリと
ヘルカ・ホスティラを助け起こしにアイリ・ライハラが駆け寄った。
「大丈夫か、ヘルカ!?」
「あぁ────ああ」
「大丈夫じゃないな」
アイリはヘルカの両肩をつかみ激しく揺さぶった。
「うぅわぁわぁえぇえぇ──なにするかぁ!」
「良かった。息吹き返した」
「死んでないわ!」
ヘルカはアイリの手を振りほどき両肩をつかみ激しく揺さぶった。
「ぶぅぶわぁわぁべぇべぇ──なにするかぁ!」
「良かった。息してるぅ」
「死んでないわ!」
アイリはヘルカの手を振りほどき
「なぁアイリ、一発で倒せるならなぜ貴君は最初の一撃で倒さないんだ」
「楽しんでるんだよ」
「楽しんで? 楽しんでいるだと!?」
「いいじゃん。好きでダンジョン下りて来てるんだ。好きにさせろよ」
「悪魔に喰われろ」
ぼそりとヘルカは言い捨てた。
「あぁああ!? 何てこと言うんだ!」
「貴君のせいで他の騎士らに命の危険が
「じゃあ俺の危険はどうすんだ」
「
「はぁ!? 俺を前に出してかぁ!?」
言い返しアイリはぷいと顔を背けた。
「赤竜を一撃で倒せた貴君だ。ダンジョンの魔物などとるに足らないだろう」
ヘルカの持ち上げた説得にアイリは耳をひくつかせた。
「いやぁ、そうでもないけれど」
「
そう告げヘルカはアイリの手を握りしめた。
「仕方ないなぁ」
でれでれとした笑みを見せるアイリ・ライハラにヘルカ・ホスティラはやはり15歳だと思った。
「さあ56階層に行くぞ!」
気勢を上げるアイリ・ライハラに騎士らが呼応し立ち上がった。