第13話 げんなり
文字数 1,685文字
26階層は手薄で弱い魔物しかいなかったが27階層に
傾斜した坑道が
シャキシャキシャキシャキ。
「これ見よがしに
アイリ・ライハラは
「アイリぃぃぃ! なんであの怪物
アイリはヘルカ・ホスティラの口を塞ぐためにヘッドロックをかけると騎士の1人が問いかけた。
「騎士団長殿、あの
「うるせぃうるせぃ俺っちに聞くな!」
シャキシャキシャキシャキ。
「ひぃ────っ」
「アイリ、貴君はあの怪物
ヘルカ・ホスティラに問われぶんぶんとアイリは
昔、
「いやぁ、あいつ腹を空かせて
シャキシャキシャキシャキ。
「ひぇ────っ!」
坑道に片方の
「うざいうざいうざ──い」
シャキシャキシャキシャキ。
「ひぇ────っ」
逃げようとするアイリ・ライハラのローブをヘルカ・ホスティラはひっつかんだ。
「やはり貴君は、何かしたのですね!」
「しらねぇ、しらねぇよ!」
唇をひん曲げて否定する
「アイリ、貴君は何をやらかしたんですか!?
「え?
「やっぱりやらかしたんですかぁ! どうするんですかぁ!」
ヘルカはアイリの両肩をつかんで激しく揺すった。
「うわぁうわぁ、あいつ横にしか進めないから縦に逃げれば」
ヘルカはそれを聞いてアイリのローブの
「ちょっとやってみせて」
ヘルカは腕力にものをいわせアイリを押し出した。
「うわぁ! 何するかぁ!」
シャキシャキシャキシャキ──ン。
「ひぃ────っ!」
ガシャガシャと
シャキシャキシャキ──ジャキン。
「あっ、つかまった!」
ヘルカがぼそりと言うと坑道の陰に隠れていた騎士らがこぞって
ヘルカ・ホスティラは途中まで駆けだし振り向いて
振り下ろされた半折れの
そのままヘルカ・ホスティラは姿勢を落とすと
「アイリ、貴君はどうして片
「昔の事なんで、もういないと思った」
腕組みをしていたヘルカ・ホスティラはため息をもらし腕を解いた。
「他にも言っておく魔物はどれくらいいるのです?」
アイリは両手を顔の前に片手上げ指を折り始めた。3本で止めたのでヘルカは3体だと思った。
「3体ですか。詳しく」
アイリは
「30体」
「え? 30? そんなに」
ヘルカは驚いた。100階層まで
「なあヘルカ──」
アイリ・ライハラに声かけられ困惑げな面もちをヘルカ・ホスティラは向けた。
「──もう止めない?」
「いえ、やめません」
ヘルカ・ホスティラは30の魔物とイルミ・ランタサル
「それよりも。最下層まで下りるのに倒した魔物はまた上るときには新しい魔物と入れ替わるのですか?」
アイリが縦に首を振ったのを見てヘルカ・ホスティラは迷宮探索を止めたくなった。