第6話 一目惚れ
文字数 1,850文字
捕虜を囲んでいた騎兵の数が減り間合いが広がり
その中でも少し大柄で目立つものを眼にしてアイリ・ライハラは顔を強ばらせた。
女騎士ヘルカ・ホスティラも他の捕虜同様に肌着姿で
その屈辱の
敵騎馬隊の向こうで死の叫び声を浴びせるテレーゼ・マカイがそう
あいつの姉のように拡散攻撃できる特殊技ではない。
あのマカイの片割れは一極集中の
取り囲まれるとテレーゼは手が打てなくなる。
だがイルブイの蛮族らはマカイの女騎士へ
アイリ・ライハラは両手握る細身の
旋回する二条の
その音に捕虜を見張る兵士らが振り向いた
直後アイリ・ライハラに近い蛮族らの両腕が地にぼとりと落ち肩から上が後ろに倒れ追いかけるように地面に転がると次々に
その余波は捕虜を取り囲んだ先でテレーゼ・マカイに襲いかかっている騎馬にも現れた。
馬ごと両の脚を落とされ次々に倒れてゆく。
倒されなかったものも、アイリ・ライハラの
そのチャンスをテレーゼ・マカイが見逃すわけがない。
残った騎馬兵を片っ端に
極めて短時間に50騎の蛮族を倒しアイリ・ライハラは
「ヘルカ! ヘルカ・ホスティラ!」
名を呼ばれ顔を上げ
ヘルカは恍惚とした面もちでいた。
イルブイの兵らを倒しても
ヘルカの肩を揺すって正気を取り戻させようとしているところへテレーゼ・マカイが敵兵の遺体を避けながら歩いて来ると半死の兵が双子の片割れに呪いを告げた。
「き、貴様ら、これしき──で、終わったと────思うな──我ら戻らなく──とも、数十万の────ぐはぁ!」
最後まで聞かずしてテレーゼ・マカイは
アイリ・ライハラがヘルカ・ホスティラの
「
「しっかりしろヘルカ! それは幸せなんかじゃない!
女騎士の眼を覗き込んでいたアイリは手を放し、
10人もそれをやるとさすがに手が痛くなり、テレーゼ・マカイにも頼もうとhアイリが顔を向けるとテレーゼはじっと
「アイリ────急ごう。凄まじい数の気配がする」
女剣士の
さっきテレーゼが殺したイルブイ兵が死に際に数十万のどうのこうのと言っていたのが気がかりだった。
アイリはふと転がった蛮族の兵士の生首を見つめてしまった。その
「何やってるんだ馬鹿! 警告しただろ、見るなと!」
肌着姿をさらしていたものが近くに山積みになった
「しっかりしろ! そいつはお前の
それでもアイリがヘラヘラしているのでヘルカは大将の
凄まじい勢いで地面に突っ込んだアイリは砂を吐きながら上半身を起こしヘルカ・ホスティラに
「なにしやがる!
「それどころじゃない!」
ヘルカ・ホスティラに言われアイリは彼女が顔を向ける
「