第1話 生還
文字数 1,898文字
怖い話だった。
銀眼の魔女は架空の産物で────影響を与える空想で、生み出しているのは夜空にある星の1つが落ちてきて悪さをしている。
気を失ったイルミ・ランタサルを座らせアイリ・ライハラは背後に回り込み
荒い呼吸を続けているイルミ
「大丈夫か、くるんくるん」
「ええ、心配はいらないわ。頭を押さえつけられた気がするのよ」
「流れ星に操られてたんだ」
ため息をついてイルミ
「この感覚、気持ち悪いなんてものじゃないわ」
「それじゃあアイリ、我々を襲ってきた銀眼の魔女は空想だと? だがあの
くるんくるんの説明がどこからその落っこちてきた星のせいかわからなかった。
「今はそれをおいとけ。くるんくるんが落ち着いてから話し合おう」
そうは言ったもののアイリ・ライハラは
それに7人の魔女は
ここにいるヘルカ、テレーゼ、カローン、自分やイルミの誰が操られているか!?
「くそう、頭、痛てぇ」
「お前も取り
食いつきそうな勢いでヘルカ・ホスティラが
「まるでその流れ星の狙いが────疑心暗鬼にありそうだわ──────」
くるんくるんの言うとおりだった。警戒したり、疑ってかかったりが敵の思うつぼだということだ。
イルミ・ランタサルが眼を開き地面に座ったまま
「人を操り、殺すことに特化した人形使いの思い通りにしては駄目だわ。
だがカローンが水をさした。
「人間にどうにかできるなんて思う方がおかしいだろう。そいつサタンより始末がわるいぞ」
すぐにヘルカ・ホスティラが胸はって言い返した。
「サタンならもう倒した」
「えぇぇぇぇっ!!?」
とたんに
「何で
「デアチのファントマ城に幽閉されてる」
アイリがぼそりと言うとカローンは眼を点にして
サタンを幽閉だぁ!? この2人──そのなんてろの流れ星よりも始末悪いぞ!
「その流れ星、壊して方々に悪影響でるぐらいなら魔法で封印してデアチのファントマ城の斜塔にでも幽閉すりゃあいいじゃん」
少女がめんどくさそうに言い切るとイルミ・ランタサルが口を開いた。
「
その
「
それを聞いてテレーゼが
「その流れ星、銀眼の魔女が持ち歩いているのか?」
それに
「
「わかんねぇぞ。銀眼の魔女にとって大切な流れ星なら胸に埋めこんでいるかもしれねぇぜ」
そうアイリがかき回すと他のもの達が落胆した。ただでさえ銀眼の魔女は
「銀眼の魔女は我々があの凍てつく世界から戻って来るとは思ってないでしょう。ですからとりあえず銀眼の魔女の部屋をみつけそこを探しましょう」
そうイルミ・ランタサルが言い腰を上げた。
壁づたいに回って行くと最初に入ったヘルカが開いた穴がそのまま残っていた。
そこからアイリを先頭にテレーゼ、イルミ・ランタサル、カローン、そしてヘルカ・ホスティラが入ると銀眼の魔女ら7人が最後に中へ入った。
「通路は無限ループの回廊です。
そうイルミ・ランタサルに命じられ散りぢりに壁の薄い場所を探し始めるとほどなくしてテレーゼとカローンが壁の薄い場所を見つけたのでアイリとヘルカがそれぞれの壁を
アイリの方の穴はまた氷づけの標本が並べおかれた部屋だったが、テレーゼの開けた穴の先に生活調度品の置かれた部屋があった。
「きっとこの部屋が魔女ミエリッキ・キルシの部屋ですわ」
そうイルミ・ランタサルが決めつけると先にアイリ・ライハラが中へ足を踏み入れた。