第23話 氷結
文字数 1,800文字
倒れた銀眼の魔女を見おろして誰も何も口にしなかった。
遺体が消え去るどころか身動き一つしない。
「他の────魔女が出てきたりしないですわね」
そうイルミ・ランタサルが強ばった顔で銀眼の魔女を見おろしながら、誰にとなく問いかけた。
いきなり、がばっと起き上がったら
「テレーゼ、
そうアイリが振るとテレーゼが2歩も
「嫌です! アイリ──貴殿がおやんなさい」
「いやぁだよ。俺が
そ────────っと、稲妻の
その様に
「生きてんじゃんかよぅ! 死んだふりしやがって!!」
アイリが
「なんで
「ちょっと、そこのミエリッキ・キルシ──言いまわしが変ですよ」
そうイルミ・ランタサルが指摘したもののアイリ・ライハラとヘルカ・ホスティラは何が変なのだと
「つきるところ、お前たちは好き勝手し放題で
「普通にしゃべれるじゃない!」
そう
銀眼の魔女を中心に
氷の世界かとアイリ達数人は困惑すると、とたんに
なんだこれは!?
針葉樹の氷の葉が揺れるつどに頭が割れそうになる。
1人銀眼の魔女だけが微笑みながら立っており
「頭、われておしまいなさいな────」
差し込みの原因がわかったとて、それがやわらぐものでなかった。
アイリ・ライハラは歯を食いしばり
「ぎらぎらの木が原因だぁ!」
そう教えたとて、他のものらが
「
この頭痛の元は魔女だとばかりにイルミ・ランタサルは銀眼の魔女を
一斉に銀眼の魔女へ切りかかるも、数回の
だが頭痛を振りまく木々は消えずにアイリは遠く離れた木々を倒し続けた。
イルミ・ランタサルは周囲を見回し眉根寄せていた。
どう見回しても凍った部屋でなく屋外にいる。頭痛に襲われる前に、周囲の凍った壁が遠ざかったようにも見えた。
だが今、いる場所は氷の
「
そう女騎士ヘルカが問いかけるもイルミは答えられずにいるとノッチが応えた。
「魔女の結界領域でしょう。我々はまだ魔女の術中にいるのです」
それを聞いてイルミは周囲にあの
「ノッチ殿、ではどうやればこの世界から逃れられるのです?」
「銀眼の魔女を倒さぬことには無理でしょうな」
ではここから出られないことになる。かんじんの張本人が姿かき消したのだ。
「
「で、ここから出られないのか!?」
「アイリ、今のところは無理なのです。この世界を創った銀眼の魔女がそばに────」
いきなりアイリは
自分の脚を見て
凍りつこうとしていた。
自分だけでない。
ヘルカもテレーゼも足元から凍り始めており2人は
最悪だった。
魔女の創った世界に閉じ込められただけでなく