第2話 円卓謀議(えんたくぼうぎ)
文字数 1,836文字
夕刻遅くイルミ・ランタサルはアイリの思いをしかと拝聴した。
だが国を動かすとなると根回しが必要となる上にことが
そこでイルミ・ランタサルは翌日、騎士らの代表や数人の
会議とは世間体で他国への侵略なので実質
場所は
12人の配下のものらを見回して最後に現れたイルミ・ランタサルを一同立ち上がり敬意を表し彼女が腰を下ろしてから全員が座った。
「今日、集まってもらったのは他でもない。我が国の領地拡張についての会議です。このように集めたのは新たな領地として手にする国が大きく武力も相応に強いと思われるからです」
「どこですかなその
「
円卓の半数以上がどよめいた。
そうだろう。恐れおののくがいい。簡単に答えに屈しないようにその名を心に刻めとイルミ・ランタサルは思った。
「待ってください。ランタサル
騎士として第7位の中堅──ヴェルネリ・オクサラが他のものらにではなくイルミ・ランタサルに問うた。だが声高にヒエッカランタの腰巾着──
「まだ子ども、お子様だからのう。重要な施策には荷が重すぎるのであろう」
だがその物言いには触れずイルミ・ランタサルはアイリ・ライハラの
「彼女が口にすれば
そう言うことで騎士団長アイリの意志を最後のカードとして手にしているとイルミ
「簡単でしょうランタサル
腕組みしたまま眼を閉じている騎士団長代理もつとめたことのある剣竜騎士団第2位のヘルカ・ホスティラがぼそりと告げ。
「ライハラ公の意志は決まっている。総力戦だ」
「軍事力は武力だけの問題ではなかろう。
「総力戦をちらつかせイモルキを和議に持ち込ませるのが重要でしょうな」
「デアチ国騎士団と近衛兵、総力4万に届きそうな兵力を持ってして譲歩することは何もない押し切ってみせましょうぞ」
「
眉根寄せ眼を細めて唇をへの字に曲げて黙って聞いているイルミ・ランタサルがいきなり立ち上がり振り上げた
「ここは思いの
イルミ
「理由はなんでもいい。やれるかやれないかのために
「やれるもの手を上げて、はい!」
5人が勢いよく手を上げた。その中に騎士が3人いることをイルミ・ランタサルは心に置いて椅子にドカッと腰を下ろして背もたれに身をあずけた。
「いいですか。これは意見を聞く場であり、決定する場ではありません。すでに言ったようにアイリ・ライハラの気持ちは決まっています。
「戦争万歳!」
騎士団中堅の第13位騎士サロモン・リストラが
いきなり椅子を背後に倒し立ち上がったイルミ・ランタサルは
「何度も言うようにアイリ・ライハラの堅い意思を
「これより開戦準備に入ります」
そう言い捨てるイルミ・ランタサルの声が投げやりに聞こえた。