第7話 斬り合い
文字数 1,686文字
こんな事になるなら珍しいからと色々食べるんじゃなかったと少女は後悔した。
アイリは寝室にじっとしていられなくなり、仕方なくもう一度屋敷のまわりを駆けて来ようと廊下へ歩き出た。
静かだと思いながら玄関へ歩いていると金属のぶつかるリズミカルな音が
どのみち落ち着かないんで
その大扉に近づくと音がもっとはっきりと聞こえアイリは顔をしかめた。甲高い音が
でも屋敷の人が忍び込んだ盗賊にでも──と少女は思った。
扉の前を十数回うろうろして取っ手に指をかけそっとレバーを回した。
肩と
「まだでございますかイラお嬢様!」
そう声をかけ大柄な引き締まった身体を回転させユリウスが
それを女
「ああ、まだですユリウス!
アイリは触れたら本当に怪我を負う
「
アイリは『あの方』って自分の事かと思い、『
「たとえ30人のあなたと同時に斬り合っても、アイリ・ライハラ1人の速さに及びません!」
そう言いながらイラは4度も斬り込み、その二振りの
イラの言葉に
「それがお嬢様のこの様な速さの理由でございますか!」
「そうです! あの方を師匠とお慕いし修練を受けさせて頂く私が成長しているのです!」
イラが執事の斬り込む
その瞬間、熱中し見ていたアイリ・ライハラは扉に寄りかかり過ぎて押し開き中へ倒れ込んだ。
視線を
「すまぬ、ユリウス!」
即座にイラが謝罪し出入り口へ振り向き声を上げた。
「御師匠! 何をなさっているのですか!?」
アイリ・ライハラは両腕を立て上半身を起こし笑顔を返した。
「水をさしてごめんなさい。物盗りと誰かが争っているのかと──」
そう言いながら立ち上がり少女は頭をポリポリと掻いた。
「丁度よろしゅう御座います、アイリ・ライハラ殿────」
えっ!? ────何が!? と執事に切りだされアイリは逃げ腰になった。
「アマゾネス1とも呼ばれましたこの婆やのお相手をお願いいたします」
そう宣言し胸を張った執事ユリウスの盛り上がった胸筋の上の乳房の理由をアイリ・ライハラはやっと理解した。