第15話 強さ
文字数 1,701文字
半時の
「上級騎士は別な
ヘルカ・ホスティラがそう言うまでもなくここに手応えのある奴はいなかった。一人も起きて戦うこともできず殺された。
終盤、駆けつけた近衛兵二十騎あまりも倒した。
「まだ、こんなもんじゃないぞ。一割だ。次行くぞ!」
「アグネス、上級騎士の
アイリに問われ王女アグネスは困惑した。
「上級騎士の住居はばらばらです」
それを聞いてアイリは即断した。
「手分けして攻める二人一組、俺はアグネスを連れてゆく」
テレーゼ・マカイはヘルカと組み唖然としていた。
その騎士の
アグネスを引き連れたアイリは駆けながら
「怖くないかアグネス?」
「こわいです! でもこの人たち、父と母に同じ思いをさせた人たちですよね」
問われてアイリはそうだと言い切れなかった。
なら父は当時の新政権下の兵に追われていたはずだ。
騎士も近衛兵も──父が口にした騎士の名は11名だった。これまでに倒した騎士にそれらがいたかわからなかったが、すべて倒せば父を追い立てた連中への意趣返しになると思った。
「騎士だけじゃない。
「反乱軍からわたしを救い出して頂いてありがとうございます」
「アグネス、王と
一緒に次の
そんなの決まってると思った。
「それしかないです」
アグネスがそう告げると息さえ荒れさせていないアイリ・ライハラが声を押し殺した。
「これからが半端なく面倒だぞ」
「アイリ、あなたは騎士団長だと。お強いのですよね。ならわたくしの
アイリはアグネスがくるんくるんと少し違うと感じた。
あれは何かというと敵に差し向ける。その活躍を見たいのはわかるがうんざりする事もある。
だがアグネスには手を貸したいなにかがある。
アイリは
ヘルカ・ホスティラより大柄な騎士だった。
アグネスが背にはりつくアイリ・ライハラは
「どこのネズミだ!?」
その
「リディリィ・リオガ王立騎士団騎士団長アイリ・ライハラ!」
「アイリ・ライハラ!? 旧王家の逃れた娘かぁ!?」
アイリは眉をしかめた。
なんで俺がイモルキ旧王家の娘なんだ!? 王女はここにいるアグネス・ヨークだぞ。
アイリは踏み込んで
そのままアイリは
「アイリ──そなたわたくしと変わらぬ歳のようでありながらどうしてそんなに強いのですか」
「アグネス、歳聞いてなかったな。俺は16だ」
「わたくしは17歳です」
アイリ・ライハラは小さく舌打ちした。くるんくるんと同じ歳じゃん。アイリはてっきりアグネスが歳下だと思ってた。
「
えぇ!? クラウス
強くて優しい魔術師のあの方の意外な一面だとアグネスは新たに知った。
もう二人、階段から下りてきた騎士三人をアイリ・ライハラは瞬殺しその手際にアグネス・ヨークは眼を見張った。
この子は苦しくないのだろうか?
こんなに強くて────。