第23話 激突
文字数 1,860文字
隠れていた岩は砕け爆煙と共に吹き飛んでアイリ・ライハラらは
落ちた拍子に手足、首を傷めたものもいた。中には落ちてきた馬の下敷きになり絶命したものもでた。
身体の柔らかいアイリと頑丈な女大将ヒルダは
「無駄だと言っただろうが! お前らのことはすべてお見通しだったんだからな!」
その上から目線の爪黒の見てくれだけが小娘の魔女にアイリは腕振り上げ指さし言い返した。
「何を言うかぁ! きさまぁ、さっき山の上の方に俺たちを探してたじゃん!」
魔女キルシは目が点になった。
「なっ、なんと言うかぁ! あれは落石を気にかけただけじゃあ!」
半眼になり冷たい目線で魔女を見つめなんかやっぱり見てくれは小娘でも
古参騎士オイヴァ・ティッカネンが立ち上がり腰袋から訴状の巻物を取り出すと上下に広げ内容を読み上げ始めた。
「ミルヤミ・キルシ! イズイ大陸1の極悪非道の魔女よ。
いきなり訴状の巻物が下から燃えだし
「訴状がなくなれば捕まえられないじゃろ!」
訴状が燃え尽きざわつく騎士らに魔女キルシは言い放った。
その得意げな魔女にアイリ・ライハラは
「捕縛、魔女裁判は教会の意向!
とたんに三白眼になり邪悪な雰囲気全開になった魔女はアイリ・ライハラを
「あの生意気な小娘
見てくれはこんな少女なのに言うことは恐ろしいやとアイリは内心思った。今まで数回倒すべきだと思ったがやっぱりここでやっておかないとこいつの呪いで誰かまた殺されるとアイリは考え騎士ら全員に命じた。
「全員、
その騎士団長の命令に騎士らはざわついた。
直後その騎士団長が
ど、どうするのだアイリ! と女大将ヒルダが眼を丸くした寸秒アイリが名指しした。どんな
「マティアス! 魔女を切り捨てよ!」
騎士らはいっせいに振り向き腹の出た
「お、俺かぁ? め、面倒くさい」
「ああ、マティアス、貴君だよ。魔女の首を
騎士団長に言われマティアスは肩を落とした。
「はぁ────────あ」
腹の出た騎士は長いため息をつくとぼやきながら重い足を繰り出した。
「どうなっても知らねぇぞ、お前らぁ」
広がって退路ふさぐ騎士らの中からなんとも
魔女キルシはその騎士を見るなり唇をへの字に曲げ眉根寄せ
「ば、馬鹿にしおって──こんな奴なら、歩いてでも逃げ切れるぞ」
「青き凍結、冥界の凍土。天地の法を
魔女キルシが言い切った
厚い氷が腹の出たおっさんの足元に迫りマティアスはそれでも逃げも
いきなり氷土が騎士マティアス・サンカラの直前から左右に分かれ後方にいるアイリら他の騎士へ襲いかかった。
「ひぃいいいいいっ!!!」
顔を引き