第142話 4ヶ月と17日目 10月12日(月)

文字数 1,314文字

 漸く超節約生活が終わりまともな1日を過ごしたのだが、やはり街に出ると色々なことに出くわす。
 本業バイトの給料が入り念願のハロウィンジャンボ購入の為新宿迄出掛けたのだが、久々に新宿から新大久保迄歩いてみることにした。
 ハロウィンジャンボを買って意気揚々と帰途に就いたのだが、今日は株も購入していて底値で買ったつもりの株が、もうひと下がりした。
 うーん。
 まだ底があったかぁ、と、反省しつつ初めて歩く新設の道路沿いに新築ビルが建っているのを発見した。
 反対車線に立つビルを見上げてみると、建って間もないのかしてとても綺麗だ。
 土地区画整理事業の情報を仕入れ、旧地権者から土地を購入した新地権者が新築したのだろうか。
 10㍍以上の幅員があろう広い道路沿いだ。
 なのに一階しかテナントが付いていない。
 2階も3階もテナント募集の紙が貼り付けられている。
 その一階のカフェこそ客はそこそこ入っているが、しかし飽く迄もそこそこだ。
 恐らくこの不動産の場合旧地権者が一番得をしている筈で、新地権者のビルオーナーは散々の筈だ。
 何故ならこのコロナ禍さえなければ韓流街に近いそこなら、2階も3階も直ぐに借り主が見付かっていただろうから。
 このコロナ禍では貸ビル業も大変だ。
 嗚呼、ビルを買う金が無くてよかったぁ。
 と、嬉しいのか悲しいのかどちらか釈然としない感慨に耽っていると、目の前を物凄いお母さんが通過した。
 前後に振り分けるように背負子(しょいこ)
を背負いその中には一人ずつ乳飲み子が、と、それだけでは無い。
 何とそのお母さんは同時にベビーカーを押していて、その中にも乳飲み子がいた。
 同時に3人の乳飲み子と移動している。
 やはり三つ子ちゃんなのだろうか。
 うーん、凄い。
 と、そこで、私は凄く自分に都合の良い連想をしたのだった。
 あのお母さんに出会ったのは、ハロウィンジャンボで三連続の当たりを、つまりは前後賞を含め5億円当たると言うことか。
 とか、阿保なことを考えているうちに、今日も競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎてくれた。
 やはり今日の競馬やパチンコでの無事は、あの三つ子のお母さんに感謝だろう。
 そして明日の競馬やパチンコでの無事は、ハロウィンジャンボの大当りで確実としたいところだが、抽選はまだ先である。
 あ、そう言えば、小説を1つ書けた。
 明日はその小説を自主校閲の後ノベルデイズに掲載することで無事、と、言うことに。
 しかし出版社で校閲して貰えるプロが羨ましいなぁ。
 でも物は考えようで依存症治療の為には、自分で校閲した方が時間が潰れる。
 うーん。
 しかし待てよ。
 そうするとプロの作家になれば、依存症の自主治療の為には不利なのか。
 そうかぁ。
 しかしそのことで心配などする必要はない。
 私がプロになることなど無いからだ。
 嗚呼、また自ら自分を追い込んでしまった。
 こうなったら明日は自主校閲してそんなこと忘れてやるぞ、と、あれ、何か元に戻った気がする。
 まぁ、いい。
 小さいことは気にしないようにしよう。
 これで明日も無事だ。
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