第135話 4ヶ月と10日目 10月5日(月)

文字数 893文字

 超節約生活最終日の今日は、レンタルDVDを返した時以外は外へ出なかったのだが、そのレンタルDVD返却の際凄いものを見た。
 今はもう10月に入っていると言うのに、タオル地のショートパンツにビーチサンダル、と、言う出で立ちの女性に出くわしたのだ。
 しかもはみだしたお尻からは、ドラゴンのタトゥーが垣間見えた。
 DVDレンタルショップで突然そんな後ろ姿が目の前に現れたのであるが、私は一瞬見てはいけないものを見たような気になり、直ぐに視線を逸らして身体を反転させた。
 その後部屋に戻りテレビ東京のWBS (ワールドビジネスサテライト)で、大江麻理子キャスターや相内優香キャスターの姿を見たときには、生きてて良かった、と、癒されたものだ。
 しかしである。
 直後に私は気付いたのである。
 大江麻理子も相内優香も、それはテレビモニターの中にだけ拡がる世界であることに。
 つまり現実ではない。
 現実はあのショートパンツからタトゥーのお尻をはみ出させている、ビーチサンダルのあの女性がご近所さんなのである。
 それに超節約生活をしている身の上でもあるのだ。
 貧乏を享受しなけれはならない現実を受け止めなけれはならない。
 とか、考え方いる内に、今日も競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎた。
 今日の競馬やパチンコでの無事は、やはり節約に感謝だろう。
 何と言っても例のタオル地のショートパンツの女性のことは早く忘れたい。
 だから明日の競馬やパチンコでの無事は、2000字お仕事小説が書けることで確実と行きたい。
 お仕事小説で思い出したが、果たしてあのタオル地のショートパンツの女性のお仕事は何なのだろうか。
 あっ、忘れたいと思っているのに、また思い出している。
 しかしまあ、女子アナでないことだけは確かだ。
 しかしあれでいて弁護士や医師など、先生と呼ばれる職に就いていたらどうしよう。
 出来れば先生でないことを祈る。
 って、それはないかぁ。
 否、あるかも。
 もしそうだったとすれば、それはもう、想像の域を越えてホラーの域に達する。
 怖っ。
 
 

 
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み