第61話 1ヶ月と29日目 7月23日(木)

文字数 657文字

 久しぶりに競馬場やパチンコのことを丸1日考えなかったが、それはバイトが休みだったのでレンタルDVDを見ていたからに過ぎない。
 罰金には引っ掛からなかったが、やはり完全に納得は出来ない。
 もしそうでなかったら多分今日も何回かは考えていたように思う。
 完璧と言う言葉か一番相応しくないのが、この競馬依存症と言う病の治療だ。 
 何故なら死ぬまで自分の脳は狂ったままだから。
 こと競馬やパチンコに於いて自分の判断はおかしい。
 法律用語に禁治産者と言う言葉があるが、自分は競馬やパチンコに限っては禁治産者だ。
 実際の禁治産者になれば法的意思表示が自身では出来ず、必ず後見人の許諾が必要になる。
 それならそれで依存症でない人に後見して貰えば良いが、依存症の中でもこの競馬やパチンコのギャンブル依存症だけはそうはいかない。
 何故なら薬物依存症なら逮捕の対象になるが、ギャンブル依存症は逮捕の対象ではないからだ。
 要するにどんなに競馬やパチンコで負けて自分の人生を失敗しようが自己責任と言う訳だ。
 それにもし競馬依存症が逮捕の対象になれば確実にJRA は破綻する。
 おかしな話だ。
 また傷付くのは競馬を開催している胴元のJRA ではなく、常に我々馬券を買う側のみだ。
 またそのことが分かっていても馬券を買おうとする自分の狂った脳。
 たからこそ自分を騙し続けなければいけない、そしてこの終わりのない闘いを続けなければならない。
 自分の為に。
 今日の無事に感謝。
 明日の無事を祈りつつ、だ。
 
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