第99話 3ヶ月と5日目 8月30日(日)

文字数 1,227文字

 今日テレビがぶっ壊れたままでいたが、MXテレビだけがちゃんと映る。
 ひょっとしてアンテナのせいだろうかとも思うが、前にも同じようなことがあり、結局自分のオンボロテレビのせいだと分かった。
 来月はテレビを買い替えなければいけないのだが、前回は中古を買ったせいでこうなった。
 今回こそ新品を買わなければ、と、そこ迄考えて気が付いたら競馬の開催は勿論のこと、パチンコ屋さえ閉店している時間だった。
 やはり今日もテレビがぶっ壊れたせいで、無事だったのだろうか。 
 否、そうではない。
 何故なら今日は宝くじ治療法と言う、まったく新しい依存症治療の対策法について自分なりに吟味していたのだから。
 今のところここ一ヶ月は競馬やパチンコには全く手を出していない。
 しかし依存症が完治した訳ではないのだ。
 依存症は脳の病気であって、今も表面に出て来ていないだけで潜伏中なのである。
 つまりフラッシュバックのような反動は起こり得るし、現に何度か体験もした。
 そこでジャンボ宝くじのやっていない月の、1・2・4・6・7・9・11月の7ヶ月間を一ヶ月に一回スクラッチと小型の宝くじを10枚ずつ合計4000円。
 またジャンボの発売初月の2・4・7・9・11月に3000円ずつ。
 ジャンボをその発売の締切月で6000円ずつ、バレンタインジャンボが3月、ドリームジャンボが5月、サマージャンボが8月、ハロウィンジャンボが10月、ドリームジャーニーが12月の年5回。
 その月のフラッシュバックが起こりそうな時か、もしくは起こった時に買う。
 しかも分けて買えば、月に2回はやり過ごせることが出来るし、スクラッチは買ったその日ではなく日をずらして削る。
 そうして年間6万5000円(購入費用は7万3000円だが、8000円は当選金とポイントで相殺される為)の月々5500円で賄える計算だ。
 少額競馬の半額で済む上にたとえ宝くじに外れても、支援金や義援金を出し惜しみする社会的害悪(自分に取っては)のJRAではなく、社会貢献に積極的な宝くじ協会に自分の金が廻るのだから、心理的にも健全なのである。
 治療と社会貢献の両方に役立つ。
 今後はその宝くじ自主治療を実行する。
 そんなこんなでテレビがぶっ壊れたせいではなく、今日の無事は宝くじに感謝なのた。
 それと明日の無事は派遣バイトが入っているから、確実である。
 それに最近特に競馬には興味がなくなって来たようで、メインレースのテレビ放映時間もそんなこと気にも掛けず寝ていてのだ。
 あれ、それってやっぱりテレビが壊れていたせいだろうか。
 否、テレビがぶっ壊れたことなんかにだけは感謝しない。
 何故ならば次回は新品を買うつもりたから、新品のテレビに感謝するつもりなのだ。
 今日の無事は新品のテレビを買って、楽しいからつい競馬なんか忘れていたことに、感謝。
 嗚呼、早くそう言いたいものだ。
 
 
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