第146話 4ヶ月と21日目 10月16日(金)
文字数 1,178文字
今日所要の為に外出した時のことである。
二組のカップルと共に信号待ちをすることになった私は、勿論一人だし、一人だけオジサンだったのだ。
シャア無しで一歩退いた。
今日は金曜日。
街はカップルで溢れているのだ。
と、一歩退いたお蔭で、宛ら後ろ姿の影絵でも見せられているかのように、カップルの様子が良く分かるのである。
すると奇しくも二組のカップルは対局を為す組み合わせであることが判明。
一組は女性の方が楽しそうに男性に寄り添って、腕を絡めている。
女性は肩を揺らしながら幸せそうだ。
それに反し男性の方は自他共に認めるイケメンな感じで、無愛想に受け答えしている。
ところがもう一組は眼鏡の男性が何やら一生懸命話し掛けているのに、女性の方が「うん。そうね、うん、うん」、と、気の無い返事を返している。
それでも尚男性の方は必死で話し掛ける。
涙ぐましい努力だ。
然し悲しいかな後者のカップルは、時間の問題のように思う。
そして信号が変わる。
前者の幸せそうな女性の方のカップルは、横断歩道を渡っているときも、余りにも女性が男性に寄りかかる為に真っ直ぐに歩けていない。
凄く時間が掛かる。
逆に眼鏡の男性の方の、「時間の問題カップル」はと言うと、女性が脇目も振らず真っ直ぐに突き進み、男性が後を追う形で「幸せカップル」が横断歩道を半分も渡り切らないうちに、もう遙か彼方へと消えていたのだ。
その時私は胸中で独りごちた。
「おい、眼鏡の君。きっと君にも他に誰か居る筈だ。だから、もうその彼女とは・・・・・」
と、そこで私は、「これだから小説を書く奴には友達が出来ないんだよなぁ」、と、胸中に続けて独りごちてしまった。
とか、思い出しているうちに、今日も競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎた。
今日の競馬やパチンコでの無事は、やはりあの「時間の問題カップル」の、眼鏡の彼に感謝である。
そして明日こそ眼鏡の彼に素敵な彼女が見付かることで、私の競馬やパチンコでの明日の無事は確実としたい。
しかし人の心配してる場合じゃねえな。
手前こそ彼女見附けるべきだろ。
何処かに縁のある彼女はいねえのかよ。
何て、独りごちた瞬間。
嫌なことを思い出した。
数日前の日誌を読んだ人にはそれが何事かお分りであろう。
「プリキュア好き」、と、夢の中で訊いてきた18®️こと女装の変なオジサンのことである。
何故奴のことを思い出したのだろう。
最悪だ。
自分の連想力に嫌気が差す。
当分彼女はいらないし考えないことにする。
うーん。
今後、絶対に奴のことは思い出さないぞ。
と、今から即効待受画面の相内優香に誓うつもりだ。
今夜は待受画面を点けっぱなしで寝ます。
アーメン。
二組のカップルと共に信号待ちをすることになった私は、勿論一人だし、一人だけオジサンだったのだ。
シャア無しで一歩退いた。
今日は金曜日。
街はカップルで溢れているのだ。
と、一歩退いたお蔭で、宛ら後ろ姿の影絵でも見せられているかのように、カップルの様子が良く分かるのである。
すると奇しくも二組のカップルは対局を為す組み合わせであることが判明。
一組は女性の方が楽しそうに男性に寄り添って、腕を絡めている。
女性は肩を揺らしながら幸せそうだ。
それに反し男性の方は自他共に認めるイケメンな感じで、無愛想に受け答えしている。
ところがもう一組は眼鏡の男性が何やら一生懸命話し掛けているのに、女性の方が「うん。そうね、うん、うん」、と、気の無い返事を返している。
それでも尚男性の方は必死で話し掛ける。
涙ぐましい努力だ。
然し悲しいかな後者のカップルは、時間の問題のように思う。
そして信号が変わる。
前者の幸せそうな女性の方のカップルは、横断歩道を渡っているときも、余りにも女性が男性に寄りかかる為に真っ直ぐに歩けていない。
凄く時間が掛かる。
逆に眼鏡の男性の方の、「時間の問題カップル」はと言うと、女性が脇目も振らず真っ直ぐに突き進み、男性が後を追う形で「幸せカップル」が横断歩道を半分も渡り切らないうちに、もう遙か彼方へと消えていたのだ。
その時私は胸中で独りごちた。
「おい、眼鏡の君。きっと君にも他に誰か居る筈だ。だから、もうその彼女とは・・・・・」
と、そこで私は、「これだから小説を書く奴には友達が出来ないんだよなぁ」、と、胸中に続けて独りごちてしまった。
とか、思い出しているうちに、今日も競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎた。
今日の競馬やパチンコでの無事は、やはりあの「時間の問題カップル」の、眼鏡の彼に感謝である。
そして明日こそ眼鏡の彼に素敵な彼女が見付かることで、私の競馬やパチンコでの明日の無事は確実としたい。
しかし人の心配してる場合じゃねえな。
手前こそ彼女見附けるべきだろ。
何処かに縁のある彼女はいねえのかよ。
何て、独りごちた瞬間。
嫌なことを思い出した。
数日前の日誌を読んだ人にはそれが何事かお分りであろう。
「プリキュア好き」、と、夢の中で訊いてきた18®️こと女装の変なオジサンのことである。
何故奴のことを思い出したのだろう。
最悪だ。
自分の連想力に嫌気が差す。
当分彼女はいらないし考えないことにする。
うーん。
今後、絶対に奴のことは思い出さないぞ。
と、今から即効待受画面の相内優香に誓うつもりだ。
今夜は待受画面を点けっぱなしで寝ます。
アーメン。