第145話 4ヶ月と20日目 10月15日(木)

文字数 1,667文字

 外出はしたが今日は変な人を見掛けることもなく、また変な人の夢を見ることもなく、平穏な1日を無事に過ごせた。
 それ故テレビもゆっくり観れたし、滞っていた連載分の小説4作品も大分書き進んだ。
 この調子ならお仕事小説も後一本書けるような気がする。
 そんな感じで気分良くフジテレビの「ルパンの娘」を観たが、これがお世辞にも面白いと言える代物ではなかったのである。
 何故か。
 それはCMを見てはっきりした。
 AIがターゲティングをし、アフィリエイト広告が当たり前の昨今。
 ドラマに於いてもターゲットを絞り込まなければ面白いドラマも制作出来ないだろうし、スポンサーの商品も視聴者が買うことはないだろうように思う。
 つまり日テレの「東京タラレバ娘」も「リモラブ」も、TBSの「書類を男にしただけなのに」も、「わたしの家政婦ナキサさん」も、或いはテレ東の「だから私はメークする」も、F1層のしかも未婚女性にターゲットを絞り込んでいるので、そこを狙う企業である花王や小林製薬などが、何度もそのドラマの放送時間にこれでもかと言う程CMを繰り返すのだ。
 それに引き換え「ルパンの娘」では、凄い数のスポンサーのCMが1回こっきりしか流されず、例えば母娘或いは親子向けのライオン「ハダカラ」、もしくは30〜40代女性向けコーセーの「雪肌精」、30〜60代向けメナード化粧品の「イルネージュ」、P&Gの家庭用洗剤「レノア」、男女共30代以上向けキリンビール「1番搾り」等々だ。
 恐らくF1層以外の全年齢の主に女性に向けてのドラマ作りであろうが、他局の拾っていないスポンサーを拾っているとも言える。
 しかしそのスポンサーを他局が「拾っていない」のは、「拾えなかったのか」、「拾わなかったのか」は、定かではない。
 察しは付くがどちらかは分からない。
 またフジテレビの代理店や営業がスポンサー各社に、「ターゲットを絞りドラマ制作を心掛けました。御社の○○と言う商品のコンセプトにはピッタリだと思います。少々高く付きますが、繰り返しCMを流すことで効果は上がると思います」、と、プレゼンしたのだろうか。
 或いは、「幅広い層に受け入れて貰うようにドラマを作ります。安くしときますんで、お願いしますよ」、と、グレー色の話をしてスポンサー各社に頼み込んだのだろうか。
 これも察しは付くがどちらかは分からない。
 しかしドラマが面白くなかった理由だけはハッキリしている。
 それはこのドラマはコメディらしいのだが、何処で笑わせようとしているのか、また視聴者に何を訴えようとしているのか、それ等が全く釈然としないからだ。
 つまりターゲットを絞り込んでいないから、ドラマの内容もグレーなのだ。
 そして「ルパンの娘」の放送によって、昔の自分なら絶対にしていたであろうことが脳裏を過ぎった。
 今年の年末に掛けてフジテレビの株価は下がると見て、何処かの時点で空売りをしていたであろうことだ。
 またTBSの株を買うかどうかを「半沢直樹」の放送が決まった時点で迷っていて、その時は1200円代だったのだが、まさか「半沢直樹」がそこ迄の視聴率は取れまいと買わなかったことを今日後悔した。
 今日チェックしたらTBSの株価は1700円代に突入しているではないか。
 TBSは買い。
 フジテレビは売り。
 で、あったか。
 とか、考えているうちに今日も競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎた。
 やはり今日の競馬やパチンコでの無事は、「ルパンの娘」が色々と考えさせてくれたお蔭である。
 そして明日の競馬やパチンコでの無事は、フジテレビがもう少ししっかりとした骨の有るドラマを作ってくれることで、確実としたい。
 あ、でも、大変なことを忘れている。
 借りて来たクリミナル・マインドやエレメンタリーのDVDを観なければ。
 考えてみればそれ等を観ていたら「ルパンの娘」なんか、観る必要なかったんだけれど。
 と、絶対に何処か抜けている私であった。
 
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