第127話 4ヶ月と2日目 9月27日(日)

文字数 935文字

 何もしていないのにそれが最良だと言う不可解な評価は、謹慎中か依存症治療くらいにしか当て嵌まらないように思う。
 厳密に言うと1日中アメリカビデオを観るかコーヒーを飲むか。
 そのどちらかしかしていない。
 まあ、レンタルDVDを借りる為に多少外出はしたが、本当に何もなかった。
 昨日肉体労働をしたので疲労し切っていると言うこともある。
 が、兎に角何もしていないし何も無かった。
 もう夏競馬も終わり秋のG1シーズンだと言うのに、馬券を買うどころかレースを観たいとも思わなくなったのである。
 つまり競馬にはまったく興味が湧かない。
 しかしそれが怖いとも思う。
 何故なら一度依存症になったものは、完治することがないからだ。
 ふとしたことでフラッシュバックか起こり、競馬のことを思い出す。
 それこそが依存症なのである。
 つくっく依存症と言うのはやっかいな病だ。
 もし競馬やパチンコなど一切やらない人生を送っていたら、まったく違う人生を送っていたのかも知れない。
 貧乏になっていなかったかも。
 ところが小説を書くには貧乏にならないと書けないこともあるし、知り得ないこともある。
 何と言っても貧乏にはもう慣れっこだ。
 小説が読めて書ければそれで良い。
 どうってことはない。
 と、強がってみても、やはり金は欲しい。
 しかしここから先の人生宝くじでも当たらない限り、私が金持ちになることはないだろう。
 従って不本意ながら今日の競馬やパチンコでの無事は、自分の貧乏に感謝としか言いようがないのである。
 そして明日の競馬やパチンコでの無事は、宝くじが当たることで確実と言うことにしよう。
 まあ、無理であろうが、しかし以下のように考えると希望も湧いてくる。
 私がプロの作家になることと、宝くじで5億円当たることの、どちらが確率が高いかを考えてみれば良い。
 それだと確実に宝くじで5億円当たる確率の方が高い。
 そう考えると宝くじは当てるかも、だ。
 しかしそう考えると、何とも悲しい。
 が、私は、生きる為だけに小説を書くのだ。
 そう、金なんか、金なんか・・・・・それは・・・・・有るに越したことはない。
 と、そのことを今日の落ちに決定する。
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