第218話 7ヶ月目の初日 12月27日(日)

文字数 927文字

 治療馬券は外れたが未だ年末ジャンボの抽選が残っている。
 大晦日まで、まあ、楽しみと言えば楽しみ。
 この間ネットで見掛けたのだが、宝くじは当たらないから買わない方が良い、と、言う意見が有った。 
 或る種のギャンブルだそうだ。
 確かにそうだろう。
 然しそれは競馬依存症でない人の話で、競馬依存症の人間に取って宝くじは、馬券を買うよりはずっと良い。
 何と言っても治療の一助となっているから。
 勿論お金を失う可能性は高いし、当たるとは思っていない。
 然し何はともあれ宝くじは暫く経ってからでないと結果が出ないので、外れて悔しくなったからと言ってその日のうちに買い増せるものではないし、何より競馬を止める為に競馬以外の事に金を使っているのが有意義なのである。
 その上JRA等より宝くじ協会にお金を払う方がずっと社会貢献になる。
 競馬依存症を患った事の無い人には理解出来ないだろうが、兎に角競馬依存症に全快は無いのだから日々是れ闘いなのである。
 それには競馬をしたいと言う衝動を何かに逃がす必要があるのである。
 治療開始当初はそうした逃げの姿勢を良しとせず、真向から受け止め正面突破を図ろうとしたがそれは難しいのだ。
 少しずつでないと反動が怖いのである。
 そう言った事も半年経ってこそ分かる。
 競馬依存症完治への道程は未だ始まったばかりとも言えよう。
 今日から愈々7ヶ月目である。
 何よりの進歩は治療馬券が外れても腹が立たない事で、悔しくならなくなった事だ。
 明日からは株価予測も始まる。
 先週何も仕掛けてないので明日の相場を見てからしか動けないが、兎に角今日も競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎた。
 やはり今日の競馬やパチンコでの無事は、治療馬券が外れても腹が立たないお蔭だ。
 で、明日の競馬やパチンコでの無事は、小説を書く方で少しでも進歩が有る事で確実としたい。
 それにしても今日治療馬券で引退するから買いだと思って買った馬はかすりもしなかった。
 とは言え、自分に馬券のセンスがなくて良かったと思う。
 何故ならしょっちゅう馬券が当たるようだと
競馬依存症治療をしたくなくなるからである。
 ま、そんな奴は居ない、か。

 追伸・数日後に彦四郎君をお見せします。

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