第175話 5ヶ月と20日目 11月14日(土)

文字数 1,347文字

 今日はリサーチの為に新宿の某大手書店に出向いた。
 小説現代の書評を書く為なのだが、自分の目指している文学と、実際に世の女性達の求める文芸誌との開きが余りにも有る為、先ずはリサーチに、と、書店のエントランスに立つ。
 やはり文芸誌などよりも女性誌が一際大きいスペースで、しかもエントランス附近に各種類共にうず高く積み上げられている。
 書店内に居る客の8割と迄は言わないが6割強が女性で、女性誌の前に殆どの客が居る。
 そして大半がF1層だ。
 書店の中がかくもF1層だらけだとは、思いも寄らなかった。
 手始めに女性誌の巻頭カラーが誰になっているかを調べた。
 先ずViViがトラビス・ジャパンなるジャニーズのアイドルグループ。
 次いでWithがJO1なるグローバルボーイズグループ。
 そしてVOCEが広瀬すずとなっていた。
 彼等は総てF1層に特化して人気で、しかも男女の別は有ってもそれぞれにF1層が思いを寄せれる対象である、と、言うこと。
 対して妻夫木聡を巻頭にした小説現代であるが、これは内容的に「小説女性現代」であっても、F1層に特化して人気の有る俳優を巻頭にする必要がなく、清潔感があり、きちんとしていて素直など、どの世代にも共通して人気があり模範的なイメージの人物を巻頭に持って来た、と、言うべきか。
 小説現代を母と娘で廻し読んだりする読者もいるらしく、正に母娘共に人気の有る妻夫木聡が「小説女性現代」の巻頭を飾るべくして飾った、と、言う事なのだろう。
 しかもTBS日曜劇場では東野圭吾原作の「危険なビーナス」を現在放映中で、講談社文庫版の「危険なビーナス」の宣伝の為にも巻頭カラーは彼に決まりである。
 ちなみに我々親爺世代は、巻頭カラーなら妻夫木聡よりヒロインの吉高由里子だろう、と、反駁の声を上げたい所だが、お仕事ドラマに出演の多かった彼女は最早F1層の支持を失い、男女の割合共に50〜60代の層に支持が移ったとのこと。
 今の小説現代のコンセプトを「母娘で廻し読む文芸誌」、と、すると、やはり高年齢者層に特化して人気の有る吉高由里子より、全世代型の妻夫木聡と言うことか。
 果たせるかな吉高由里子は、比較的読者層の年齢が高い日経ウーマンの今月の巻頭だった。
 結局小説現代のコンセプトは、F1層に特化しないものの、「母娘世代で廻し読む小説女性現代」、と、言う見解で良かろうと言う事になった。
 これはリサーチの賜物と言えるが、さて、そのような文芸誌を親爺の私がどのように料理して書評するのか、明日以降暫く時間が掛かりそうだ。
 とか、今日は割とまともな事を考えているうちに、競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎた。
 明日の競馬やパチンコでの無事は、と、言うか、規定の3000円だけ明日のG1レースの前売券を買った。
 まあ、それ以上は買わないし、カードを切り刻んであるのでどれだけ負けても3000円。
 と、言う事で、明日の競馬やパチンコでの無事は書評の全体的な構想を描ける事で確実としたい。
 ま、馬券の方は宝くじ10枚分なので、当たらなくても健康的だ。
 でも、やっぱり、当てたいよなあ。
 馬券と小説と書評、この3つは。

追伸・最近中々上手く写真が撮れず、ちょっと
   前の日向君でごめんなさい。
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