第79話 2ヶ月と16日目 8月10日(月)

文字数 1,123文字

 今日は何もしていない。
 確かに競馬やパチンコはしていないが、それ以前にこんなことでは私自身が駄目になる。
 明日は早起きして何かしよう。
 何でもいいから。
 しかしそのお蔭で詰まらないドラマも観ることが出きた。
 否、これは嫌味ではなく、今の日本のテレビドラマ業界のネタ元となる日本人執筆の原作が、如何に通用しなくなっているのかと言うことを理解出来た、と、言う意味で、詰まらないドラマが為になったのである。
 フジテレビの月9と言えば昭和・平成を通してF1層をがっちり掴んで離さない、恋愛ドラマのパイオニアだった。
「やまとなでしこ」や「ロングバケーション」と言えばその代表格なのだが、今日久々に観たらアメリカドラマ「スーツ」のリメイク版をやっていた。
 詰まらないので数分後にはチャンネルを変えたのだが、思い出すと「グッドワイフ」と言うリメイクドラマを観たこともあった。
 それは確かTBSの日曜劇場で、詰まらないのでチャンネルを変えたことを覚えている。
 しかし「グッドワイフ」も「スーツ」もアメリカの原版は、超が付く程面白いのだ。
 私は両方ラストシーズンまで全部観た。
 なのにフジテレビやTBSでやってるのは、どちらも超詰まらない。
 思うに司法取引などアメリカの法制度との違いや社会通念の違いなど、日本版にするとリメイク仕切れない部分が多いのと、後は予算が足りないことと、そしてアメリカで大ヒットした時から数年経っていることなど、詰まらなくする要素が満載なのだ。
 しかしそれでも一社ならず2社までもがそうするのは、恐らく日本人執筆者のものよりたとえ使い古されたものでも、アメリカドラマのリメイクの方がましなのであろう。
 或いは著作権料が安いのか、ドラマの主な視聴者がF1層から主婦や家族で観る層に代わってきたからか、理由は様々であろうが、何もアメリカドラマのリメイクなんて・・・・・。
 否、F1層が観ないのではなく、日本人執筆者の書いたドラマが詰まらないのではないか。
 これは日本文化の危機だ。
 と、そう思ったそのとき、或る大切なことに気付いた。
 これは日本文化の危機であると同時に私の自主治療の成果だ、と。
 昨日棚ぼたの1万円が入って来たのだ。
 自主治療をする前なら確実に競馬やパチンコをしていただろう。
 それを温存して詰まらないドラマを観ていたのだ。
 私も成長したものだ。
 自画自賛すると同時に今日の無事に感謝。
 それと明日の無事を確信ではなく、今日から
明日の無事を確実に変えようと思う。
 何となく言い切りたいのだ。
 とは言え明日は朝から何かしよう。
 もう詰まらないドラマを観るのは御免だ。
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