第102話 3ヶ月と8日目 9月2日(水)

文字数 940文字

 今日は何とか小説が書けた。
 ほんの数行ではあるが、良かった。
 3作品書かなければ、と、頑張ってそれぞれ数行ずつ。
 しかしこの自分の書くペースが遅くて、しかも集中力がないことに気付いたのは、ノベルデイズを始めてからなのだ。
 果たして今日の自分のように「数行書いて今日は書けた」と喜ぶ人は、他にどのくらい居るのだろうか。 
 ノベルデイズには文章が泉の如く湧き出てくる人もいるのであり、そう言った人達はそんなときに「今日は数行しか書けなかった。こんなんじゃ駄目だ」、と、頭を抱えるのだろうか。
 そんな人が居たら私の今日の状況を伝えてあげなければなるまい。
 落ち込むことなんてありませんよ。
 ほら、この男を見てみなさい、と。
 否、しかしそんな人は絶対にそんな助言は必要ない筈だ。
 何故なら家にドラえもんが居るからだ。
「ドラえもん。書けないんだ何とかしてよ」
 で、ドラえもんがお腹のポッケからペンを取り出すのである。
「文豪ペ〜ン。これさえあればどんな文章でも書けるんだぁ」
 うーん。
 絶対にドラえもんが居る。
 もしドラえもんが居なければ、キテレツ大百科に出て来るコロ助が居るのだろう。
 と、またまた阿呆なことを考えているうちに、今日も競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎてしまった。
 とは言え危ない瞬間があった。
 夕方歩いて最寄り駅近くのチケットショップに、派遣バイト通勤用の回数券を買いに行ったのだが、一瞬パチンコ屋へ行きたいなぁと思ってしまったのだ。
 しかし最近の作戦としては、パチンコをやりたいと思った瞬間に宝くじ売り場に行くのだ。
 良し、宝くじを買うぞ。
 と、そう思ったのだが先月何やかやと出費を余儀なくされたせいで、給料日まで宝くじを買う余裕がないのである。
 と、言うことは何のことはない。
 競馬やパチンコをする金もなかったのだ。
 つまり今日の無事は・・・・・否、貧乏に感謝だけはしないことにした。
 だから小説を書けたことに、否、と、言うよりドラえもんとコロ助に感謝すべきであろう。
 明日の無事は朝起きたら枕元にドラえもんかコロ助が居てくれることを祈り、確実であることにしよう。
 本当にそうならないかなぁ。
 
 
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