第105話 3ヶ月と11日目 9月5日(土)

文字数 1,030文字

 何故か今日はそこそこ小説が書けた。
 書けたといっても自分の書けたと言うのは、まったく大したことはなない。
 それは分かっているのだが、しかしラブコメ、SF、医療小説、と、連載中のものを今日も三種類書いたのだ。
 我ながら手広くやっているなあと感心したのだが、以外だったのが一番頭を捻るのがSFでも医療小説でもなくラブコメなのだ。
 それに比例し調べ物もラブコメが一番多い。
 今日もF1層と言う言葉を調べたら、20歳から34歳迄の女性を指すのだそうた。
 マーケティングや広告の際の分類らしいが、
一体何を以て20歳の女子と34歳の女性を同じ分類に入れるのか訳が分からない。
 それに19歳や35歳は何故F1層ではないのだろうか。
 たとえば「いい女」と言う称号は、少なくとも未だ20歳そこそこの女子には使わない。
 それはその年齢だと「女の子」或いは「女子」と呼ぶからだ。
 誰がF1層をそんな風に決めたのだろう。
 うーん、分からない。
 などと、毒にも薬にもならないようなことを考えているうちに、競馬の開催時間もパチンコ屋の閉店時間も過ぎたのだから、今日の無事はラブコメ小説のお蔭、と、言えよう。
 それに今後のストーリー展開に息詰まり外に買い物がてら散歩にも出たのだから、ラブコメ小説は依存症治療には最適だ。
 またそのせいで擦れ違うカップルの動向が気になり、道行く総てのカップルを観察。
 そして女性が泣いているカップルを発見。
 阿保な私はこれはネタになるかも知れない、と、立ち止まりスマホを弄っているフリをしながら様子を窺っていた。
 すると泣いていた筈の女性か突然怒鳴り始め、男性の顔や頭を思い切り叩き始めた。
 良く聴いてみるとその女性は、日本語ではなく明らかに中国語て男性を罵っていた。
 なるほど中国人カップルである。
 後日の参考にはなるかも知れないが、今の小説の参考にはならない。
 仕方無くその場を立ち去ったのだが、振り返ると、何と今度は泣きながら男性が女性に謝っていた。
 そのとき私は心底思った。
 日本人で良かった、と。
 恐らくそのとき近くに居た日本人男性は、私と同じことを思っただろう。
 なので今日の無事はラブコメ小説とその中国人カップルに感謝すべきだろう。
 しかし明日の無事は自分が日本人であることに感謝しつつ確実であると言うことにしたい。
 しかし何と言っても万国共通で、女性は怒らせてはいけないのである。

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